第百二十六話 複雑な立場その八
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「スイスの子が言うけれど」
「皆ね」
「国民皆兵で」
そうであってというのだ。
「武装出来るだけね」
「していて」
「いざとなったら」
有事が来ればというのだ。
「もうね」
「国民が一丸となって戦う」
「そうする国だしね」
「そうそう」
「徴兵制はね」
一華はさらに言った。
「結構多くの国でやってるわね」
「そうなのよね、戦前の日本の徴兵制は」
富美子は言った。
「かなり緩やかだったわね」
「むしろ兵隊さんになる方が凄い」
「そんな風だったわね」
「世界見てると」
一華は世界中から人が集まる学園の生徒として語った。
「徴兵制の国もね」
「多いわね」
「ええ、ただね」
富美子にどうかという顔で話した。
「メダル獲得出来ないと兵役って」
「それはどうもね」
「あそこの徴兵制ってね」
「何なのかしらね」
「そんなに嫌がられて」
理虹も言ってきた。
「しかも行かないと変に言われるのよね」
「行かないなら行かないでね」
一華もそれはと返した。
「言われるのよね」
「そうなのよね」
「行くことを嫌がられて」
「行かなかったら言われる」
「何ていうかね」
「相当なものね」
「そうね、しかし」
一華は考える顔になった、そうして腕を組み口をへの字にさせてそのうえでこんなことを言ったのだった。
「負けたら兵役か炭鉱かっていったら」
「どうしたの?」
「どっちがましかっていうと」
理虹に応えて言った。
「わからないわね」
「兵役でしょ」
理虹はすぐに答えた。
「もうね」
「そう?」
「だって北朝鮮の炭鉱でしょ」
この国の話だからだというのだ。
「あそこの炭鉱ってね」
「碌なものじゃないわね」
「只でさえ碌なものじゃない国で」
「そこで重労働の炭鉱って」
「食べものがなくてね」
「それで徹底的にこき使われるのね」
「奴隷みたいにね」
尚本来は共産主義は奴隷を否定している。
「それで使い捨てでしょ」
「北朝鮮の炭鉱だと」
「あんな人権のない国ないから」
そもそもというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「もうね」
それこそというのだ。
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