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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十五話 激戦の予感
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という事はこのまま我々だけでフォルゲンの警戒にあたる訳だが…。

第十三艦隊
艦隊司令官:ヤン少将
副官:グリーンヒル中尉
副司令(分艦隊司令兼務):フィッシャー准将
艦隊参謀長:ラップ大佐
同参謀:ムライ中佐
同参謀:パトリチェフ少佐
分艦隊司令:アッテンボロー准将

 「閣下、帝国軍の意図は何なのでしょう。ウィンチェスター提督は今回の帝国軍の出兵目的は彼等自身の実力を図る為、と仰っていたそうですが」
「その両方だろうね、参謀長。無理はしない、だけど此方に隙があれば容赦はしない、そんな所だろうね」
「なんかこう…中途半端な気がしますが」
中途半端…ラップのいう事は尤もだ。上に立つ者としては確かに部下の実力を知るのは大切なのだが…そんな事の為に戦わされる将兵は堪ったもんじゃないだろう。
「中途半端な戦力だからこそ、敵は分進する気がないのかも知れない。だが大兵力には違いない。アムリッツァ、イゼルローンの奪取ではなく、アムリッツァ駐留の同盟軍を撃破または打撃を与える事に徹するには充分な兵力だろうね」
「ですが敵は我々にも増援が現れる事態も予想している筈です。七個艦隊では我々の増援に対処出来ないのではないでしょうか」
堪らなくなったのか、ムライ中佐が会話に割り込んで来た。
「こればかりは帝国軍の都合だからねえ。ただ…」
…これを話してもいいものか。確定事項ではないし、希望的観測に過ぎない。だがウィンチェスターが言っていた事だ。裏付けはなくとも聞けば聞く程納得させられる内容ではあった。彼等を安心させられる事は出来るだろう。
「ただ、帝国軍にはこれ以上の兵力を前線に出せない理由があるんだ」
「それは…?」
「皇帝の寿命さ。フリードリヒ四世は健康とは言えない状態らしい」



9月28日14:00
ボーデン星系、自由惑星同盟軍、アムリッツァ方面軍総旗艦ペルクーナス、
ドワイド・D・グリーンヒル

 ヤン提督の通報は正しかったという事か…だがおかしい、敵は五個艦隊に見える。六個艦隊ではないのか…?
「どうやら敵は宇宙艦隊司令長官自らお出ましの様ですな。後衛の艦隊旗艦はヴィルヘルミナです」
前衛は四個艦隊、後衛の予備に一個艦隊、しかも二万隻ほど…ヴィルヘルミナは同盟軍にも名の知られた帝国艦隊の親玉、ミュッケンベルガーの座乗艦だ。
「参謀長、敵は本気の様だな。まあ当たり前の話ではあるが」
「敵にも策士がいる様ですな、七万隻と聞いて六個艦隊と早合点してしまいました。敵の公式発表通りなら、もう一個艦隊居る筈です。我々の増援は二個、ハイネセンに増援を要請しても、確実に三十日はかかります。最短で呼べるのはイゼルローン駐留艦隊しかありません」
「止むを得ん、ウランフ司令官に要請だ」
「了解しました」
「第十三艦隊
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