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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十五話 激戦の予感
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は詳しくないが、帝国軍に軍需物資を納める企業の株価が上がっているという事は、帝国内でそっち方面の動きがあるという事だろう?バグダッシュはそこから探っていったんじゃないか」
「そのバグダッシュ大尉ですが、本当に信用出来るのでしょうか」
「部下を信用しないでどうするんだ。それとも情報関係の人間を毛嫌いする理由があるのかい?」
「いいえ、特には…」
「バグダッシュは悪い人間じゃない。参謀長が彼を信用出来ないとしてもだ、情報を扱う事にかけてはバグダッシュはプロだ。プロは雇い主にいい加減な事は言わないだろうよ」
「了解しました」
ワイドボーンはため息をつくと艦橋から出ていってしまった…どうしたんだろう、疲れてるのかな?

「…カヴァッリ大佐」
「何でしょうか、閣下」
「参謀長のカウンセリングをお願いします」
「なんでアタシが…じゃない、何故小官が」
「司令部内務長じゃないですか。司令部スタッフの心情把握な司内長の立派な任務ですよ。どんな事でもいいから話を聞くだけでいいんです。カウンセリング研修、受けてますよね?」
「はい…参謀長の様子を窺ってきます」
パオラ姐さんは肩を落とさなくていいんですよ!
「いやはや…見ていて飽きませんな、閣下」
「副司令官…」

 俺とワイドボーン、そしてパオラ姐さんとのやり取りを見て、シェルビー副司令官が笑いをこらえている。
「彼はスランプなのでしょう。閣下もお若いが参謀長もまだ充分に若い。優秀で、若くして高位を得た者にはありがちな事です」
「そうなのですか?」
「どうしても肩肘を張ってしまうのです。上位者が閣下やヤン少将だけだった頃は、皆年も近いですし本人も意識する事はなかったでしょうが、今は小官が居りますからな。それに彼はこの艦隊の参謀長です、責任感がそうさせてしまうのでしょう」
「へえ…意外だなあ」
「そうですか?」
「ワイドボーン参謀長は自信の塊の様な人ですから」
「そういう人ほど陥りやすいのですよ。まあ、乗り越えるしかありません…参謀長の代わりに話を戻しますが、帝国軍は本当に出て来ますかな」
「あると思いますよ、情報畑の人間からの情報ですから。バグダッシュ大尉も生半可な事ではこんな事言わないでしょう」
「そうですな…ですが参謀長の言う通り戦略的に意味があるとは思えないのも事実です」
「戦略的に意味が無いのは確かでしょうね。ですが帝国の国内向けには充分に意味があると思いますよ」
「帝国の…国内向け?」
バグダッシュはどうやって調べたのか、帝国内で大貴族の叛乱があったとも言っていた。カストロプ公のボンクラ息子の反乱だ。原作だとキルヒアイスが鎮圧するやつだ。艦隊戦力を増強しつつある帝国軍にしてみれば、艦隊の実力を試すいい機会だろう。
「ええ。帝国は対外的…我々との戦争では負け
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