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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第29話
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る為なら母はどんな事でもするって、昔から言われているでしょう?――――――大切な我が子を守れるなら、私は”どうなったって気にしないわ。”けどそのお陰で大切な息子による”大君”との決着にも加勢する事ができたし、こうしてまたアーロンと話す事ができたのだから、マティには本当に感謝しているわ。」

「オフ……クロ………」

「”母は強し”とはまさにこのことを言うのだろうな。」

「ふふっ、そうね。彼女の信念はかつて”全ての元凶(イシュメルガ)”の抹殺の為に行動されていた”あの御方”の信念にも決して劣らないでしょうね。」

「ええ。そしてその結果が黒月の長老達の謀をも出し抜いたのですから、”見事”と言う他ありませんわね。」

優し気な微笑みを浮かべたユエファに微笑まれたアーロンは泣きそうな表情を浮かべ、その様子を見ていたアイネスやエンネア、デュバリィはそれぞれ感心した様子でユエファを見つめて呟いた。



「リロイ・ウェイ……(ユエファ)が稼いだ金を酒や賭け事につぎ込んだ挙句ルウ家にも目を付けられた事で煌都から追放されたあの下郎がまさかそのような置き土産をしていたとは………どこまでも忌々しい男よ…………」

するとその時ギエンが忌々しそうな表情を浮かべてある人物の事を思い浮かべて呟き

「ギエンさん。ちょうどいい機会でもあるから、先程のヴァンさんの貴方のアーロンへの態度の急変の件についての”続き”を一応確認させてもらってもいいかしら?」

「……………………」

「”続き”、ですか?」

「アーロンもそうだが、マルティーナに対する態度の急変に関してはその爺さんはまだ答えていなかっただろう?ま、今までの流れと今のこの状況を考えたら、大体の想像はできるがな。」

静かな表情を浮かべたマルティーナに見つめられて問いかけられたギエンが黙り込んでいる中マルティーナの言葉の意味がわからず不思議そうな表情をを浮かべているタリオンの疑問に答えたヴァンは周囲に倒れている凶手達を見回した後真剣な表情でギエンを見つめ

「まさか………」

「ユエファさんが亡くなった後のアーロンさんにとって唯一の家族にしてアーロンさんが心から大切にしている”姉”であるマルティーナさんが”大君”の降臨に支障が出かねない、もしくは黒月の神輿として”大君”に仕立て上げたアーロンさんが黒月からの脱退、または裏切りの可能性になりかねない存在だったからですか………」

ヴァンのようにある推測に気づいたアンゼリカは真剣な表情を浮かべ、アニエスが真剣な表情で答えを口にした。

「しかもマルティーナもアルマータに襲撃された件を考えると………今回のこの一件でマルティーナが”アルマータによって殺される事も想定内”―――――いや、最悪”大君”の時のように”大君
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