第29話
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線を向け
「!!!」
「よもや儂ら”長老”達の内密の計画をそんなにも早い時期からユエファに見抜かれていたとはな………だが、ユエファよ。何故ヌシが”大君の存在を識っている?”ヌシの両親が幼いヌシを連れて煌都に居を構えたのは”先代大君”をこの地に封じてから数年後………ヌシもじゃが、ヌシの両親も大君の存在を識る事等できないはずじゃ。」
ユエファの話を聞いたアーロンは目を見開き、真剣な表情で呟いたギエンはユエファに新たに抱いた疑問を指摘した。
「ええ、ギエンさんの言う通り確かに私もそうだけど私の両親も大君の存在は識らなかったわ。――――――だけど、”子”というのは”母だけで作れるものではない事”をお忘れですか?」
「”子というのは母だけで作れるものではない”………――――――!もしかして……アーロンさんのお父さんがユエファさんに”大君”の事を……!?」
「ああ……ッ!」
ギエンの指摘に頷いた後ギエンに問いかけたユエファの問いかけを聞いて察しがついたアニエスが驚きの表情で推測を口にし、それを聞いたフェリは声を上げ
「アーロン、貴方は貴方が物心つく前にいなくなって私の手だけで貴方を育てさせた父親の事を嫌っているけど、リロイの代で”大君”との決着をつけられず貴方が産まれた事で貴方に”大君”を受け継がせてしまった事に関して本当に申し訳ないと思っている気持ちもそうだけど、貴方の未来を心から心配していた事は”事実”よ。」
「!………あのクソ野郎が………………」
自分に視線を向けて苦笑を浮かべて答えたユエファの話を聞いて目を見開いたアーロンは複雑そうな表情で呟き
「リロイから”大君”の事を教えてもらってからずっと貴方の未来を心配していたけど……行き倒れのマティを拾ってマティの事を知ったあの日にようやく安心できたのよ。例え私がいなくなっても、マティがいればアーロンの未来は大丈夫だって。何せ天使達の中でも相当な実力者の主天使とやらだからね。――――――ま、唯一の誤算はマティに私の”全て”を託してマティの力の一部になった私が種族は違えど、”私として今こうして存在していられる事”だけどね。」
「そもそも私は貴女が自らの魂を代償にしてでもアーロンとの守護天使契約を結ばなくても、元々アーロンを守るつもりだって言ったのに貴女が強行したのだから、せめて貴女の自我を保ったままの貴女を”使霊”として生み出すのは当然よ。本来死後新たなる生を受けるはずだった貴女の魂は私の力の一部になってしまった事で、今後転生する事が相当難しくなってしまったのだから。」
アーロンから自分へと視線を向けたユエファに対してマルティーナは疲れた表情で答えた後複雑そうな表情を浮かべた。
「フフ、我が子を守
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