第29話
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「奇襲を受けたとはいえ、凶手達が一瞬で半数もやられるとはさすがはあの”大君”を制した者達と言うべきか……!」
一瞬で凶手達が半数も無力化された事に驚いたギエンは厳しい表情でアーロンを庇うようにそれぞれアーロンの周囲で武装を構えて凶手達と対峙しているヴァン達を睨み
「メイヴィスレイン、ギエンさんがアーロンさんを連れて行くように指示をした瞬間に魔術を放ったようだけど……もしかして、ギエンさんがアーロンさんを連れて行く指示もそうだけど、ギエンさんの部下の人達が潜んでいる事も気づいて先に準備をしていたの……?」
「ええ。そこの老人が今回の一件の黒幕の一人であると肯定した時点でこの場に”伏兵”を伏せている事には気づいていました。そして愚かにも『大君という自らには過ぎたる力を手にしようとする事』も。――――――これでもかつては天使達を率いて魔族達との数えきれない数の戦を行った身。伏兵もそうですが、過ぎたる力に魅入られた愚か者の浅はかな考えを見抜くこと等容易です。」
「ったく、黒月最古の長老の謀を”浅はか”と言い切った上見抜くのも容易とか、とんでもない”切り札”だぜ。」
アニエスの疑問に答えたメイヴィスレインの答えを聞いたヴァンは苦笑し
「我等黒月に何度も被害を与えた挙句、滅亡の危機にまで陥らせかけた忌々しきメンフィル帝国が飼いならしている異種族が………!黒月の長老たる儂らの考えを”浅はか”である事もそうだが、『過ぎたる力を手に入れようとする愚か者』と呼ぶとは随分と大きく出たものよ。凶手達よ、まずはあの小癪な天使を――――――」
ギエンは怒りの表情を浮かべてメイヴィスレインを睨んで凶手達に新たな指示を出そうとしたその時
「あらあら、実際そちらの天使の言う通り、一度はメンフィル帝国によって滅亡の危機に陥らされたにも関わらず”結社どころか、鉄血宰相すらも滅ぼしたメンフィル帝国”を甘く見ていた貴方達黒月の長老達は愚かで浅はかじゃない。」
「え――――――」
「!?なんであんたがここに――――――」
その場にいる誰でもない女性の声が響き、声が聞こえた方向に視線を向け、屋根の部分にいつの間にか現れていたエンネアを目にしたアニエスは呆けた声を出し、ヴァンが驚きの表情でエンネアを見つめたその時
「――――――ハッ!」
エンネアが矢を機関銃のように怒涛に放って残りの凶手達を怯ませ、更にエンネアの背後から現れて凶手達に襲い掛かったデュバリィの神速の剣が、アイネスの斧槍の重い一撃が、”天使の姿のマルティーナとユエファ”の聖槍と鉄扇によるそれぞれの一閃が、そして銀髪の少女による体術が残り半数の凶手達に命中し、それらに命中した残り半数の凶手達も地面に叩き伏せられるか、壁に叩きつけられた!
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