第29話
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ああ……”外禍”は当然だが”アルマータ”。”内患”は――――――つまりは”大君”ってわけだ。」
「!!!」
更にヴァンの言葉を聞いたアーロンは驚愕の表情で息を呑んだ。
「状況証拠だけなら幾らでもある。一つは、露天商が半グレに奪われてアルマータの手に渡った”とある装置”。あの露天商自体は”誰か”に託され、それを半グレに奪われた流れだが……アンタがアルマータの手に渡るように段取ってたとすれば全て説明がつく。そもそも黒月が封鎖していたこの地に先代大君と共に眠っていた品だしな。」
「それを回収してそんな形で……なんでそんな回りくどいことを。」
「それが政治―――――だからでしょう。敵対者に直接渡す体裁にしないための。」
「……………………………」
ヴァンの話を聞いてある疑問を抱いたフェリにアニエスが答え、ヴァン達の話を聞いていたアーロンは信じられない表情で黙り込んでいた。
「もう一つは、アルマータの連中が余りに40年前の話に詳しかったことだ。意図的に隠蔽され、街でも老人しか知らず、ほぼ口を閉ざしているような”真実”………北部のメッセルダムが拠点の連中に”誰”がそれを教えたんだろうな?」
「あ………」
「……爺、さん………」
ヴァンの更なる推測を聞いたフェリは呆けた声を出し、アーロンは信じられない表情でギエンを見つめた。
「3つ目はアンタのそいつへの態度だ。昔は仲が良かったそうじゃねえか?家族ぐるみで、そいつの母親や義理の姉込みで。ムカつくがそいつは人に好かれる質だ。特にアンタみたいな老人なんかにはな。どうして―――――何の前触れもなく義理の姉も含めてえらく冷たく当たるようになった?」
「ウソ、だろ……ギエン爺さん?……ウソだと、言ってくれよ……!」
ヴァンの最後の推測を聞いたアーロンは悲痛そうな表情でギエンを見つめて問いかけた。
「全部―――――その男の指摘通りだ。チョウが見込んだ者とはいえよもやそこまで見抜かれるとはな。」
「外道が……!(そうなると”伏兵を潜ませている可能性が考えられ――――――いえ、確実でしょうね”……)……………」
そしてギエンがヴァンの推測を肯定するとメイヴィスレインは怒りの表情でギエンを睨んだ後ある事に気づいて厳しい表情を浮かべ、ギエンに悟られないようにヴァン達の背後へと移動して小声で魔術の詠唱を始めた。
「なんでだッ―――――!?どうしてそんなことをッッ!?アンタは昔は優しかった……!!近所のジッチャンとして俺にも姉貴にもオフクロにも良くしてくれた!いつからだ……!?いつから俺のことを―――――!?」
一方アーロンはギエンの腕を掴んで悲痛そうな表情でギエンに問いかけた。
「ここ数年だ。――――――か
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ