第29話
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でギエンを見つめた。
「うむ、先程到着したばかりでな。ヌシらが解決できなかった時に備え、密かに戦力を整えていたわけだ。だが無用の備えだったようだ―――――今回の件、その働きに相応しい報酬を取らせることを約束しよう。下に船も呼んだ―――――後の事は儂に任せ、煌都に戻って休むといい。アーロンは儂と共に来るがいい。傷も深いようだし、後始末の話もある。」
「チッ、久々に会ったと思ったら……相変わらず抜け目ねぇ爺さんだぜ。だがまあ、確かにここからは黒月の出番か……」
ギエンの提案と指摘に舌打ちをしたアーロンは苦笑を浮かべた後立ち上がってギエンと共にその場から去り始めた。
(ふふ……よかったですね、アーロンさん。)
(はい、最近あんまり話してなかったみたいですし……)
「―――――待てよ、爺さん。」
去り始めた二人の様子を微笑ましそうに見つめて呟いたアニエスの言葉にフェリが同意したその時ヴァンがギエンを呼び止めた。
「………?」
「どうした、裏解決屋?報酬については息子に伝えるといい。悪いようにはせん。」
ヴァンがギエンを呼び止めた事を不思議に思ったアーロンは立ち止まってヴァンへと振り向き、ギエンも立ち止まってヴァンに指摘した。
「それはありがたいが、そっちじゃねぇ。確かめたいことがあるんでね。あんた――――――”アルマータと手を組んでいやがったな?”」
「何だって………?」
「!?ハアアアッ!?」
ヴァンのギエンへの驚愕の問いかけにアンゼリカは眉を顰め、アーロンは一瞬固まった後困惑の表情で声を上げた。
「え、え………?」
「……それって……」
「じょ、冗談ですよね……?」
フェリも困惑し、アニエスは考え込み、タリオンは信じられない表情を浮かべた。
「……………………」
「おいおい………」
「……まさかとは思うが………」
一方ギエンは否定の言葉を一切口にせず黙ってヴァンを見つめ、ギエンの様子を見たマーティンとクロウは真剣な表情を浮かべた。
「……黒月とアルマータが本気で対立しているのは本当だろう。今回、お互いこの地でガチで戦争をするつもりだったのもな。だが―――――ある一点についてのみは”協定”に近いことが連中と結ばれていた。ギエン・ルウ―――――あんたと、恐らく他の長老のみが知る密約として。」
「密約……ですか?」
「オイオイ……何を馬鹿な………」
ヴァンの推測を聞いたリタは首を傾げ、アーロンは信じられない表情で呟いた。
「……あの言葉……『外禍を通じ内患を見定める』ですか。」
「!」
ギエンのある言葉を思い出したアニエスの言葉を聞いたアーロンは目を見開き
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