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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第198話:心と力を一つに合わせて
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き摺り込まれながらも、奏は全身に力を込めて己を掴む巨大なアームを逆に押し広げる。それを颯人は見逃さなかった。奏が己の力で拘束を緩めると、彼は素早くアームに取りつき彼女を引っ張り出しながらアームを蹴り飛ばす。
 そして脱出した奏は颯人と頷き合い、一度湖底に潜り頭上の棺を見上げると今度は湖底を蹴り上げて一気に浮上。その勢いに乗りながら、2人は同時に魔法を発動させた。

〈〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉〉
「「ハァァァァァッ!!」」

 2人の必殺技を受け、棺は水中から押し出される。翼達が見ている前で、棺が水面を突き破り天高く舞い上がる程に吹き飛ばされた。
 その後を追う様に飛び出した颯人と奏。颯人は水中に引き摺り込まれた事で満足に呼吸の出来なかった奏を優しく抱き寄せ、ゆっくりと仲間達が居る所へ降り立った。

「げほっ! ふぅ、ちょいビビった」
「奏、大丈夫?」
「あぁ、この通り」

 流石のタフネス。ウィザードギアブレイブの超回復は伊達ではなく、奏は本当に問題ないように見える。その姿に翼や響は安堵し胸を撫で下ろした。

「はぁ〜、良かった〜」
「それより、あれ何とかしないと」

 安堵する響達に対して、マリアは険しい表情を頭上に向ける。そこには、颯人と奏の攻撃により大きく形を歪めながらも未だ原型を留めている棺が回転しながら落下してきている様子が見えた。

「おいおい、偉い頑丈じゃねえか。ペテン師、さっき手ぇ抜きやがったな?」
「仕方ないっしょ? さっきは奏を水から上げるのが最優先だったんだから」
「それだけじゃないな。恐らく水中と言う場所が良くなかった。良くも悪くも水がクッションの役割を果たして、2人の一撃の威力を分散させてしまったんだろう」
「あの棺自体がとんでもなく硬いってのもあるでしょうけど……」

 そうこうしている間にも棺は彼らに向け落下してきている。このままだと全員纏めて落ちてきた棺に潰されてしまう。

「どうするデス? あのデカブツをどうやってぶっ壊すデスか?」
「狙うべきは、さっき破損させた喉元ね。ギアの全エネルギーを一点集束させるのよッ!」
「そう言えば、最近そんな技開発してたな」
「問題は当てられるかだが……」

 狙うべき的はかなり小さく、遠く、そして何より動いている。それを正確に狙い撃つのは正直に言って至難の業だ。しかし……

「大丈夫です。狙いをつけるなら……ね?」
「あぁ。そう言うのはアタシの得意分野だッ! タイミングはアタシが執るッ!」

「「「「「「「ギアブラスト」」」」」」」

 クリスを中心に、装者が全員一か所に集まり攻撃態勢を取る。ギアを構成していたエネルギーを攻撃に転用するため、必要最低限の機能を持つインナー姿となった彼女達を颯
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