第十四話 真田家の人その五
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「当時のご先祖様達もね」
「活躍したのね」
「隠密としてね」
その立場でというのだ。
「当時の真田家の方にお仕えして」
「その方も志士だったの」
「薩摩藩のね。上士の方だったけれど」
そうした身分だったがというのだ。
「西郷さんの下におられたそうよ」
「西郷さんって身分低かったのよね」
「大久保さんもね。お二人共貧しくて」
この二人より貧しかったのが黒田清隆だという、その身分が低く極貧の状況から身を起こしたのである。
「実は当時の真田家もね」
「上士さんでもだったのね」
「薩摩藩って武士が多かったのに」
そうであったがというのだ。
「実際の石高低かったから」
「貧乏だったのね」
「七十七万石位ってされていたのが」
これが薩摩藩の公の石高だったのだ。
「実際は三十八万石位だったのよ」
「半分以下ね」
「それでいてお侍は五万もいたのよ」
それだけだったというのだ。
「百万石、百十七万石位の加賀藩が二万数千位だったのに」
「全然違うわね」
「その三十八万石で五万のお侍さんへの俸禄出すから」
「藩自体も貧乏で」
「お侍さん達もね」
「貧乏で」
「真田家の方もそうで当然私達のご先祖様も」
猿飛家もというのだ。
「貧乏だったのよ」
「そうだったのね」
「何でも幸村様が十勇士を連れて」
真昼はこんなことも話した。
「海外に出て世界を巡って帰って」
「そんなこともしてたの?」
「伝説ではね。それで沢山の金銀財宝を手に入れたとかね」
「そんなお話あったの」
「そのお金で江戸時代食べつないだとも言われてるのよ」
「それ本当のお話?」
夜空は思わず聞き返した。
「海外にって」
「伝説よ。本当かどうかはね」
「わからないのね」
「大体幸村様自身大坂の陣でお亡くなりになったってことになってるでしょ」
「歴史ではそうよね」
「生きておられたこと自体信じられてないし」
表向きの歴史ではというのだ。
「このお話もね」
「本当かどうかわからないのね」
「そうなのよ」
これがとうのだ。
「私も本当かどうかね」
「わからないのね」
「ええ」
そうだというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
それでもというのだ。
「面白いお話でしょ」
「ええ、幸村様と十勇士のご先祖様達が世界中を巡ったって」
夜空は笑顔で応えた。
「夢があるわね」
「そうでしょ」
「それで悪い奴等をなぎ倒していってね」
世界中のというのだ。
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