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金木犀の許嫁
第十四話 真田家の人その一

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                第十四話  真田家の人
 真田家についてだ、夜空は家で姉に尋ねた。
「私達の主筋で」
「今は八条グループで働いておられるのよ」
「そうよね」
「実はね」
「実は?」
「わかってると思うけれど幸村さんの家系だから」
 真昼はこのことを話した。
「同じ真田家でも長野のね」
「松代とかの」
「あちらとは違うわよ」
「別よね」
「あちらは長男さんだから」
 そちらの家系だというのだ。
「同じ真田家でもね」
「違うわね」
「幸村さんは次男で」
 そちらでというのだ。
「それで死んだことになってるから」
「大坂の陣で」
「そこはね」
「また違うわね」
「ええ、ずっとね」
 真昼はこうも言った。
「薩摩藩にいる間は苗字違ったし」
「真田家じゃなかったわね」
「私達もでしょ」
「十勇士のお家もね」
「それでね」
 そうした事情があってというのだ。
「真田家もよ」
「違ったのね」
「江戸時代はね」
 苗字がというのだ。
「別のものだったのよ」
「そうして素性を隠していたのね」
「ずっとね」
 江戸時代の間というのだ。
「そうしていたのよ」
「私達のご先祖様も」
「そうだったのよ」 
 猿飛家もというのだ。
「江戸時代はね」
「死んだということになっていたから」
「ええ、夜空ちゃんも前から知ってたでしょ」
「分家だけれど猿飛家だしね」 
 夜空は真昼にそれでと答えた。
「だから私もね」
「そうよね。もう皆ね」
 真昼は夜空にこうも話した。
「本来の苗字よ」
「真田家の人達も十勇士のお家も」
「猿飛家の他に霧隠、三好、海野、望月、筧、根津、穴山、由利ってあるけれどね」
「三好家は二つあるわね」
「清海さんの家系と伊佐さんの家系がね」
「それで合わせて十よね」
「そうよ。それで言葉がね」
 真昼は今度はこちらの話をした。
「私達今は関西弁だけれど」
「あっ、薩摩にいたから」
「ずっとね、だからね」
 その為にというのだ。
「方言はね」
「薩摩、鹿児島の方だったのね」
「実際に維新になって神戸に来て」
 そうしてというのだ。
「ご先祖様は薩摩弁だったから」
「周りには通じなかったの」
「昔の薩摩弁って凄くて」
 極めて独特の方言であったのだ。
「だからね」
「通じにくかったのね」
「昔の薩摩弁って凄くて」 
 その訛りに言葉がだ。
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