第二章
[8]前話
「けれどね」
「気を付けてね」
「そうしていけばいいのね」
「真子も気を付けてね」
母は姉の彼女にも言った。
「真帆が蕎麦アレルギーっていうことはね」
「わかったわ、アレルギーって命にも関わるのよね」
「そうよ」
真剣な顔での言葉だった。
「だからね」
「気を付けるわ」
「うちは年越しはおうどんにするから」
蕎麦ではなくというのだ。
「いいわね」
「わかったわ」
真子は意地悪な性格ではないので素直に頷いた、そうしてだった。
家では年越しうどんになり真帆は蕎麦を食べない様にした、それで大学生になって姉妹で旅行に出てもだった。
蕎麦は食べなかった、それで自分と同じ大学生になっている姉に話した。
「お蕎麦食べなくてもね」
「やっていけるわね」
「ええ、ただね」
「そう、迂闊に食べるとね」
「よくないから」
「こうした時もね」
旅行、家の外でもというのだ。
「気を付けないとね」
「アレルギーにはね、私も軽くね」
「お姉ちゃんは鯖よね」
「鯖食べるとお肌少し荒れるから」
妹の様にというのだ。
「姉妹お互いにね」
「気を付けないとね」
「どうしてもね」
こうした話をしながらだった。
旅行先で楽しく色々なものを食べた、だが二人共制約はあっても困らなかった。他にも美味しいものが多くあったので。それは二人の人生自体でもそうであった。それで幸せな人生を送ったのだった。
アレルギーとハンバーグ 完
2024・4・20
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