第3部
サマンオサ
新たな旅路
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次なる旅路
バハラタでのレベルアップを終え、ポルトガに戻った私たち。結局バハラタには一月近く滞在し、私のレベルは26になった。他の皆も順調にレベルが上がり、ユウリは34、ナギは28、シーラは18にまでなった。特にシーラは今までとは比べ物にならないくらい様々な呪文を習得し、四人のなかでは一番の出世頭となった。
そんな私たちが今どこにいるのかと言うと、ポルトガとロマリアの間にある関所である。
ナギの予知夢を分析し、魔王の城に行くためには『ガイアの剣』と言うものが必要だとわかった。そしてその剣の所有者は、かつて仲間と共に魔王討伐に向かった勇者サイモンだという。けれど彼が今どこにいるのかは不明であり、世間もユウリの父親であり英雄と称されたオルテガの話題は上がるが、サイモンの所在に関する噂は耳にしない。そんな中、ルザミで彼の故郷がサマンオサだという情報を得た私たちは、これからそこに向かおうとしていた。
だが、サマンオサは険しい山脈に囲われており、さらには大陸周辺の海流が複雑で、船で向かうには厳しいとのことだった。そこで一番楽に行ける方法と言うのが、私たちが今いる関所から旅の扉を通ってサマンオサ大陸へと渡る方法であった。
ここ、ロマリアの関所は、以前初めてポルトガに行くときに通った場所でもある。あのとき、関所内の建物で野宿をしたのだが、そのときに魔法の扉でも開かない扉が一つあったのだ。その扉の向こうに、サマンオサへと続く旅の扉があるのだと、周辺の町で聞いた。
さて、問題はここをどう通り抜けるかだ。前回は入国規制があったので、夜中に魔法の鍵を使って侵入したのだが、今回もそうなるのだろうか。
関所から少し離れた場所??以前皆で王様ゲームを行った場所??に固まって座り込んでいるのは、私とユウリとシーラだ。ナギは関所の様子を探るため、忍び足の特技を使い調査に向かっている。
「なんかここで待ってたら、王様ゲームをやりたくなっちゃうね」
「あっ、私も今そう思った!」
あのときは4人だったが、皆いろんな命令をしたりされたりして、すごく楽しかった思い出がある。確かユウリだけ王様になれなかったんだっけ。
「ナギちん来るまでまだかかりそうだし、3人でやろっか☆」
「じゃあやろう! ユウリもやる? 王様ゲーム」
「ふん。今は遊んでる場合じゃないだろ」
そう言いながらも、準備しているシーラの方をちらちらと覗き見ているように見えるのは、気のせいだろうか?
私はユウリに聞こえないように、シーラにそっと耳打ちした。
今回は木の枝を削り、片方の先端に番号と王様の印を書いた。書いた方の先端を隠すように枝の束を掴めば、どの番号かわからなくなる。
そしてシーラはユウリの目の前にそれを差し出した。
「はい、ユウリちゃん♪ 最初にどうぞ☆」
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