暁 〜小説投稿サイト〜
俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
新たな旅路
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
から、早く行くぞ」
 こうして、私たちはこっそり忍び込むこともせず、堂々と昼間に関所を通ることにした。
 ところが??。
「サマンオサに行きたい?」
 関所の前には二人の兵士が立っていた。中年の兵士の顔が不審者を見つけるような目つきになっているのに気づき、私は一歩後ろに下がる。
「もう入国規制はなくなったんだろ? サマンオサに行くのも自由だろ」
 もう一人の年若い兵士の顔を見ながら、ユウリは不満げな様子で主張した。
「確かに他国の行き来は自由ですが、もしかしたらサマンオサ側からは入国出来ないかもしれませんよ」
 その言葉に、四人は顔を見合わせる。
「どういうことだ? オレたち、どうしてもそこに行きてえんだけど」
 ナギも不思議そうに兵士に尋ねる。すると中年の兵士が面倒くさそうに答えた。
「なんだ、知らなかったのか? あそこは大分前から、鎖国状態でな。他国との交流を禁じているらしい」
「あ……! そういえば前にるーくんが言ってたかも!」
 シーラに言われて私もハッと気づく。確かイシスでルカと最初に別れたとき、そんな情報を聞いたような気がする。
「そんなこと言ってもなあ、こっちは関係ないっつーの」
「でもだからって無理に入ろうとしたら、余計面倒なことになっちゃうよ」
 私はエジンベアでのことを思い出した。あのときはマギーに助けられたが、あんな奇跡は二度とないと思う。
「そもそもなんで鎖国状態なんだ? 王が変わった話も聞かないが」
 ユウリの質問に、若い兵士の目が輝いた。まるでその質問を待っていたかのように。
「サマンオサに行く人は皆そう聞いて来ます。けど、われわれの立場から見ても、なぜサマンオサがそうしたのかはわかりません。一つだけ言えるのは、他国との接触を禁じたのは、正確には今から十年以上前だと言うことです。それまではむしろ、積極的に他国との交流を図っていましたよ」
「よく覚えてるな、若いのに」
 中年の兵士が感心するように言う。若い兵士の方はこういう知識に詳しいようだ。
「それじゃあ、ポルトガとも交流をしていたのか?」
「はい。そもそもサマンオサと行き来できるように旅の扉を置くように交渉したのは、我が主君のお力によるものですから」
 どことなく誇らしげに話す兵士。つまりサマンオサに行けるようになったのは、ポルトガ王のお陰と言うわけだ。そう考えると、黒胡椒好きの王様と言うイメージだけで測ってはいけないのかもしれない。
 すると、ユウリが何やら考え込むような素振りをした。
「……よし。俺は一度ポルトガに戻る。お前らはここで待ってろ」
「え!? 待ってユウリ一体どういう……」
 引き留める間もなく、ユウリはルーラの呪文で飛び去ってしまった。その一連の行動に、ポカンとする。
「まーまーミオちん、きっとユウリち
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ