第2話:心の毒
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僕はこのまま迷って例の大蛸に遭えぬまま終わってしまうかもしれないのに!」
そして、グートミューティヒは複数のモンスターボールを投げつけた。
「出て来い!フシギダネ!ブビィ!ピチュー!バニプッチ!フカマル!ポワルン!」
グートミューティヒを襲った小人達は『ゴブリン』と言い、略奪で糧を得る低身長の醜人であるが、そんなゴブリンもまさか自分達がモンスター(正確にはポケモン)に襲われるとは思ってもいなかった。
「ナ!?何ダ!?」
「何デコイツラハ俺達ヲ襲ウ!?」
「コイツラ、魔王様ノ配下ノモンスタージャナイノカヨ!?」
ゴブリン達が予想外の展開に大混乱の一方、グートミューティヒはゴブリン達に悪態吐きながら仲間のポケモン達に的確に指示を出した。
「襲って奪う事しか知らぬお前達とポケモンを一緒にするな!」
ゴブリン達との戦いはグートミューティヒの圧勝に終わり、ゴブリン達と戦ったポケモン達を治療魔法で治療していた。
「何!?リブローダト!?オ前、兵種ハ何ダ!」
「プリーストだけど」
あっけらかんと答えるグートミューティヒに対し、質問したゴブリンは大袈裟に驚いた。
「プリーストオォー!?ソノ歳デモウ中級兵種カヨ!?」
ゴブリンは漸く戦う相手を間違えた事に気付いたが既に遅く、グートミューティヒは質問したゴブリンの首根っこを掴んで引っ張った。
「さて……薬草の宝庫と呼ばれる場所を占拠している大蛸の所へ案内して貰おうか?」
「何故!?行キ方ヲ訊クダケデ良イダロ!」
「ゴブリンは野盗の様な習性を持つモンスター。なら、ちょくちょく訊き直した方が得策だろ?」
慌てるゴブリン。
「嫌ダ!コンナ状態デ行ッタラ、アイツニ殺サレル!」
が、これがかえってゴブリンを追い詰めた。
「アイツ?つまり、例の大蛸の事を知ってるね?」
「嫌ダアァーーーーー!」
こうして、薬草の宝庫と呼ばれる草原に到着したグートミューティヒ。
「本当にここだな?」
「ソ、ソウダ!ダカラソノ手ヲ離シ―――」
だが、謎の声がグートミューティヒに連行されたゴブリンの逃走を許さなかった。
「そこの役立たず……そこの小娘から離れて何をしようとしている?」
「ゲッ!スカルオクトパス!居タノカアァーーーーー!?」
「スカルオクトパス?」
慌てて逃走するゴブリンだったが、巨大な触腕が巻き付きゴブリンを地面に叩き付けた。
「役立たずの雑魚が……壁にすらならぬか?」
地面に叩き付けられて瀕死のゴブリンを観て不快感を露にするグートミューティヒ。
「……外道が」
グートミューティヒは、マドノ率いる勇者一行への軽蔑と逆恨みを切っ掛けに雑魚蹂躙と過大追撃に対する罪悪感が芽生えていたのだ。
「何で殺した?僕をここに連れて来たからか?それとも、敗北の責任から逃げたか
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