勇気の玉砕
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『ま、待ってくれ葵姉君! その場合、一番近い僕か、君かのどちらかが狙われるんじゃないかい!?』
『いい、ネシンバラ? ───根性よ』
『もしくは気合かな!?』
『というか、この状況でもしもミトがコントロールミスったらトーリの馬鹿。大ダメージ受けるんじゃないさね?』
『!? いいかネイト。ぜってー落とすなよ! いいか? 落とすんじゃねーぞ! 絶対だぜ! ───振りだからな!?』
「……何を言っているのかさっぱり理解できないのは俺の語学力の問題かガリレオ、なぁ」
「武蔵の芸風を理解しようとしたのが間違いではないのかね? 元少年」
成程、と言われた言葉はその通りだろうと思ったが、そんな事をしている間に武蔵の第五特務が自分の横を通り抜けていた。
「行かせるかぁ!」
確かに、通すと言ったからには体を張って邪魔をする事は出来ないが、通す以外の妨害行為はしないとは約束はしていない。
言いがかり結構。
それで完全な敗北を決定されるよりは百倍マシだ。
そのまま手に持っている淫蕩の御身の超過駆動を使おうとする。
これを使えば、武蔵の第五特務の鎖の力は失い、馬鹿はただ落ちてくるだけになるだろう。その後に約束をしていない学生たちが馬鹿を捉える。
あの馬鹿本人には何の能力もない事が幸いだったというべきだろう。これで、総長までが何かしらの能力を持っていたら困難を超えて、至難の戦場になっていたはずだ。
それに
「最早、貴様らの内燃排気は空に近い筈だ!」
乱戦はお互い様だが、こちらは数の利がある。
多いだけで勝てるなどという戯言を吐くつもりはないが、やはり、戦争の基本の一つに数という要因があるのは事実ではある。
こちらにも何人かは内燃排気が尽き掛けている奴はいるだろうけど、少なくとも武蔵の学生より多いという事はない。
ならば、こちらの方が有利だと思い、淫蕩の御身を振り下ろし、超過駆動発動させ───
「結べ───蜻蛉切り!」
発動させたゼロコンマ一秒でガラスが割れるような音と共に淫蕩の御身の超過駆動が消された音がした。
誰かやったかなんて一目瞭然であった。
「拙者がいる事を忘れないで頂きたいで御座るな、教皇総長」
「小娘……!」
蜻蛉切りの割断能力。
ならば、担い手は本多・二代以外にはいない。
心底厄介な能力だと内心で舌打ちする。大罪武装を持っている自分が偉そうに言える立場ではない事は百も承知だが、蜻蛉切りは倍くらい厄介だと自分でも言える。
三河は本当に厄介なモノばかりを残して行って……! と愚痴りたくなる。
それを言うならば、大罪武装もそうなのだが、それはそれである。
「だが……貴様らの内燃排気が空という事実は覆せんぞ!」
既に周りの学生達は指示無しで動
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