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八条学園騒動記
第七百四十七話 サチェル=ペイジその三

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「それはないな」
「そうよね」
「ただ記録がな」
 タムタムはまたそちらの話をした。
「黒人リーグは曖昧だ、しかももうない」
「千年以上前になくなったのよね」
「メジャーに選手が行く様になってな」
 第二次世界大戦後そうなった、メジャー契約したアフリカ系アメリカ人第一号はジャッキー=ロビンソンだった。
「そしてだ」
「人がいなくなって」
「そしてだ」
 その結果というのだ。
「チームも減ってな」
「御客さんも来なくなったのね」
「そしてジリ貧になってな」
「なくなったのね」
「解散となった」
 一九六〇年のことだ。
「そうなった」
「そういうことね」
「それでだ」
「記録もなのね」
「不確かな話が残っている」
「そういうことね」
「そしてハルク=アーロンが出た」 
 フランツはこのスラッガーの名前を出した。
「ベーブ=ルースの記録を抜いた」
「あの人ね」
「後で日本の球界で抜かれたがな」
「王貞治によね」
「それも百本以上な」
「王さんが凄かったのよね」
「そうだった、あの人は別格だった」 
 フランツはこの偉大な野球人についてこうも言った。
「凄過ぎた、だからな」
「王さんは仕方ないのね」
「四十歳まで現役でそうだった」
「じゃあ今現役だったら」  
 王貞治がだとだ、アンは考えて言った。
「千五百本いった?」
「還暦近くまでプレイしてな」
 タムタムはそうしていてと応えた。
「そうなっていたかもな」
「そうよね」
「今だとな、しかしその時代に千本はな」
 これだけのホームランを打つことはというのだ。
「どうか、あとな」
「あと?」
「一七〇キロ以上投げた人もいたそうだ」
「今でも壮絶な速球派よね」
「滅多にいないまでのな」
「そうよね」
「一六五キロ以上でだ」
 その速度でというのだ。
「相当でな」
「一七〇以上になると」
「連合でもどれだけいるか」
「そして当時それだけ投げていた」
「それも信じられないわね」
「サチェル=ペイジもな」
 今の話の主役である彼もというのだ。
「そうした話がある」
「一七〇以上のボール投げていたの」
「後はカーブやチェンジアップをな」
「速球派だったのね」
「長身で全身のバネが凄かったらしい」
 そして非常に頑健な身体を持っていたのだ、ダブルヘッダーでどちらの試合に登板することが普通で壊れないまでのそれが。
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