第六十六話 御仏の教えその一
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第六十六話 御仏の教え
日本の寺の庭園、清水のそれを思わせる階の中を進んでだった。シェリルはふとこんなことを言った。
「こうしたお庭も迷路になるな」
「ちょっと工夫したらな」
リーが応えた。
「なるな」
「欧州や中国のお庭もな」
「何でもない様でな」
「木々や石やお池使ったら」
「それでや」
「迷路になるな」
「ほんまな、何でもな」
それこそというのだ。
「迷路になるな」
「街も建物もそうで」
「お庭もな」
「そやな、しかしな」
シェリルはこうも言った。
「ここは日本のお寺のお庭やが」
「それでか」
「思うんは日本は仏教もな」
この宗教もというのだ。
「独特やな」
「独自の道を歩んでるな」
「宗派によってな」
それでというのだ。
「全く教えがちゃうしな」
「真言宗と浄土真宗とかな」
「もう同じ宗教とはや」
それこそというのだ。
「思えんわ」
「そこまでちゃうな」
「ほんまな、しかしな」
それでもとだ、シェリルはさらに言った。
「仏教やとなってるわ」
「全然ちゃうもんでもな」
「それが凄いわ」
「日本ならではやな」
「神道とも一緒になってるし」
「仲よくと言ってええな」
「一時廃仏されたけどな」
明治の初期のことである。
「もうそれもないし」
「今ではな」
「その殆どの時期でな」
「仏教と神道仲ようしてるな」
「親戚同士みたいにな」
「皇室の人も信仰してて」
「出家されてるわ」
そうした方は歴史上実に多い。
「何人どころかな」
「何百人とやな」
「皇室の長い歴史の中で」
「特に平安時代有名やな」
「法皇っていうのは」
リーはそう呼ばれた方々の話をした。
「上皇様がや」
「出家されたな」
「そや、日本の皇室は神通やが」
「同時に仏教も信仰して」
「問題なかったわ」
「そやったな」
「ただ両方大事にせんとあかんかった」
神道も仏教もというのだ。
「神を信じてな」
「仏もやな」
「どっちもな」
「日本ではな」
「大事にせんとあかんかった」
このことを言うのだった。
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