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第百二十六話 複雑な立場その一

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       第百二十六話  複雑な立場
 一華はこの時自分達のクラスの場所で難しい顔になって競技を観ていた、そのうえで言うのだった。
「いや、次バレー部の先輩出るけれど」
「そうなの」
「いつもお世話になってるね」
 競技を終えて戻って来たかな恵に話した。
「それで応援したいけれど」
「出来ないの?」
「同じ競技それも同じレースでね」
 それでというのだ。
「お隣の上田さん出てるのよ」
「団地でお隣の」
「そうなのよ、上田さんにもね」
 かな恵に困った顔で話した。
「お世話になって来たし」
「上田さん優しいわよね」
「ええ、もうお姉ちゃんみたいにね」
「大事にしてくれてるのよね」
「その上田さんも出るから」
「どちらを応援していいか」
 それがというのだ。
「困るわ」
「迷うわね、そうした時」
「ええ、確かお二人に面識はないけれど」 
 一華から見て先輩とお隣さんはというのだ。
「けれどね」
「お二人共一華ちゃんがお世話になっている人だから」
「さて、どちらを応援するか」
「困ってるのね」
「どうしようかしら」
「そういう時はあれでしょ」
 理虹が言ってきた。
「もうね」
「もうっていうと」
「お二人の勝敗じゃなくてね」
 競技でのそれでなくというのだ。
「健闘をよ」
「応援するの」
「そうしたらいいでしょ」
 こう言うのだった。
「そうでしょ」
「そうしたらいいの」
「ええ」
 まさにというのだ。
「それならね」
「いいっていうのね」
「勝敗だけじゃないでしょ」 
 理虹は一華に真面目な顔で言った。
「スポーツって」
「それはね」 
 一華も確かにと頷いた。
「言われたら」
「そうよね」
「どれだけスポーツマンシップを守って」
「健闘したかもでしょ」
「大事よ」
「その健闘をね」
「見ればいいのね」
「勝つことが全てで」
 理虹は軽蔑する様にこうも言った。
「負けたら生徒を全員丸坊主にさせるとか」
「そんな顧問の先生はね」
「最低でしょ」
「そんな先生もいるわね」
「それが次の戦いに向けて気合を入れなおす」
 こうもだ、理虹は言った。
「その為に生徒も自分もね」
「するならね」
「それもいいかしらってなるけれど」
 それでもというのだ。
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