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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
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合体…霊脈を辿り同じ子供の魂をかき集めたか。…ンン。」
「道満?独り言?」
「これは、良いものかもしれませぬ。」

おなじようにしゃがむと、ぼくに手をのばしてきた

たすけてくれるの?

「ええ、助けましょう。拙僧の手を取ってくだされ。」

手をのばす。
大きな手に、自分の手をかさねる。

すると、ふしぎと力がわいてきた。

「世界を…壊したいのでしょう?」

そうだ。
ぼくはこわしたい。
このせかいを、

ぼくからなにもかもをうばった、
このせかいを…!!

「許さない。その気持ちは大事ですぞ。絆される事など有り得ぬ程の意思、消して許さぬという怨嗟の炎を常に抱き続ければいずれ願いはかないましょう。」

かなう。
ねがい、ゆるさない、こわしてしまえ、

きもちがおおきくなる。
みんな≠ェさけぶ

ゆるさない、ぜったいにゆるさない。
おとうさん、おかあさんをかえせ

もっと生きたかった。
なのにそれをゆるさなかったのは、このせかいだ。

ゆるさない、
こわしてやる。
のろってやる。

「ンンンンンンン!!!そうですそうです!呪いましょう!!この世の全てを!!いや!この崩壊世界そのものを!!呪いを撒き散らしましょう!!」


ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない、
ゆるしてなるものか
この思いが晴れるまで、
このせかいをこわすまで、
のろいはとまらない。


「わぁ、すごーい。」

拍手をするお姉さん。
あやしそうな人はずっと笑っている。

「優しいねぇ道満。」
「道端に倒れている幼き魂を救わずして何が陰陽師か。さて、まずはこの子を育てましょう。」


それから

「横須賀の孤児院から連れてきた子供達です。さぁ、威勢よく食べると良いでしょう。」

「よく食べよく育つ。その程度では世界は呪えぬ。さぁ、どんどん食べなされ!!」

「そなたと同じく、霊脈を伝って流れてきた魂の残滓、人だろうが英霊だろうがそれすらも喰らい尽くす!ンンンン!なんたる悪食!!」

ぼくのうらみはどんどん大きくなる。
新しい子をなかまにいれて、もっと大きくなる。

「新しい子来たよー。はいどーぞ。」
「さすがは真誉殿。拙僧が何も言わずとも集めてくるとは気が利きますなァ。」

しにたくない
たすけて

そんな声が聞こえてきた気もしたけど、そんなのしらない。

ぼくはこのせかいをゆるさないのだから。
こわすのだから。

ぼくは…ぼくは……







ぼくは……だれ?
ぼくって、なんだったっけ?

わかんないや。
わすれちゃったかもしれないし、そもそもぼくはなんでもないのかもしれない。


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