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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
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軒並みなくなっていて、たくさんの動かなくなった店員さんが転がっていました。
もちろんその中に、お母さんはいました。
弟を一人にさせる訳には行かないと、兄はここまで少年を連れてきてしまっていました。
連れてこなければよかったと、後悔しました。
だってそうしていれば、肉親の死を目の当たりにしなかったのですから。
次はお父さんです。
生きていて欲しいと願いながら、お兄さんと鈴鹿御前、少年は歩きました。
お父さんの仕事場は電車を使って行くところです。
しかし電車が使えない今、歩くしかありません。
とても、とても長い道のりでした。
足が痛くなるくらい、険しい道のりでした。
大丈夫?とかおぶろうか?とか兄と鈴鹿御前が心配してくれましたが辛いのはみんな一緒。
少年は気持ちだけ受け取っておくことにしました。
そうして半日くらいして、お父さんの会社に到着。
しかしビルはボロボロ、とても心配です。
これからさぁ、探すぞと兄は意気込みます。
しかし、少年はあるものに目が行きました。
ビルの少し離れたところに積まれているもの。
化け物のフンです。
時間も経って匂いは薄くなっていますが、ハエが集っています。
少年は何故かそんなものに、目がいってしまいました。
だって、あるものを見つけたから。
汚いからやめなと兄に怒られましたが、それでもフンの中にあるあるもの≠ノ手を伸ばします。
それは、お父さんの写真。
お父さんの社員証でした。
ボロボロでかなり汚れていましたが、それは確かにお父さんのものでした。
お父さんの身につけていたものが、化け物のフンから見つかった。
どういうことかは、子供でも分かります。
「お父さん…たべられちゃったんだ…。」
泣きそうな声で、絞るように、確認するように少年はそう言いました。
そうです。
お父さんはとっくのとうに化け物に食べられていたのです。
祖父母や母のように死体はなく、ただ、社員証だけ。
兄も鈴鹿御前も、少年も感情がぐちゃぐちゃになりました。
空に向かって叫ぶ兄。
悪くないのに「ごめん、ごめん」と繰り返し呟く鈴鹿御前。
そうしてこの崩壊世界は、
少年から祖父母と両親を奪ったのでした。
?
世界は滅び、家族を失い、
唯一の肉親の兄だけは絶対にもういなくなって欲しくないと少年は心の底から望みました。
どこかへ行かないで。
一人ぼっちにしないで。
共に旅をする中で、仲良くなった鈴鹿お姉ちゃんも、いつのまにか大事な家族の一員です。
お姉ちゃんにも、お兄ちゃんにも、死んで欲しくありません。
それからは、
安全な場所を求めて、3人で色んな場所を旅しました。
兄は山登
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