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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
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の化け物のご飯になります。
少年も必死に逃げ回りました。
でも、あまり足は早くありません。
化け物がこちらに向かって走ってきます。
こわい。やられる。死んじゃう。
頭の中が真っ白になって、それから目の前が凄くゆっくりになります。
あんぐりと口を開け、迫る化け物。
できることはありません。
ただ頭を覆ってしゃがむことくらいです。
もうだめだ。死んじゃうんだ。
そう、思った時でした。
「!!」
手を掴まれ、横からすごい力で引っ張られます。
慌てて顔を上げると、そこにはとてもよく知る顔が。
「…お兄ちゃん!!」
それは兄でした。
なんと弟のピンチに駆けつけてきてくれたのです。
「お兄ちゃん…が、学校が…みんなが…!」
「もう大丈夫だ。後は鈴鹿が何とかしてくれる。」
お兄ちゃんが助けに来てくれて涙が出そうになりました。
すると、あの化け物が鳴き声を上げて倒れていきました。
お兄ちゃんがやっつけたのか?
そう思いましたが実際は違うようです。
「マスター!!」
「大丈夫だ!こっちの事は気にせずウガルを倒してくれ!!」
「はーい。かしこまり!!」
兄と仲良さそうに話すのは女の人。
見たことの無い女の人でした。
その人が刀で次々とウガルと呼ばれたライオンの化け物を簡単に斬ってやっつけていきます。
あとから聞きましたが、女の人の名前は『鈴鹿御前』と言いました。
お兄さんとはとても仲の良い、ぶっちゃけバカップルみたいなカンジと言われました。
他にもなんかよくわからないことを言っていて理解できませんでしたがとりあえず、兄とはとても仲が良いことが分かりました。
しかし世界が崩壊した今、起きるのはいいことばかりではありませんでした。
お仕事に出かけたお父さん、お母さんは電話が繋がりません。
そして家にいたおじいちゃん、おばあちゃんは
「おじいちゃん。おばあちゃん。おきて、おきてよ。」
血まみれになって動かなくなっていました。
おそらく化け物に襲われたのでしょう。
崩壊した世界は手始めに、祖父母を奪いました。
少年は泣きました。
それはもう、とても泣きました。
何かあるとそれは大変だったわねと優しかったおばあちゃん、気前が良くて、隙あらばお小遣いをくれたおじいちゃん
2人はもう、動きません。
前のようにお話をすることもできません。
兄は悔しそうにしていて、鈴鹿御前はもっと早く来れていればと言っていました。
それから兄は、両親の安否を知るために頑張ります。
母がパートで働いてる隣町のスーパーまで行きました。
ひどいものでした。
お店の中は荒れ放題。
食べ物と呼べるものは
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