第44話 張飛
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した。
「麗羽退いてくれ」
「鈴々は子供じゃないのだ!」
「黙らっしゃい!」
麗羽は鈴々に厳しい顔で叱りつけました。
張飛はその迫力に口を噤みました。
「正宗様、私との約束をお忘れですか!張飛さんに乱暴をしないでくれとお願いしたはずです」
次に、麗羽は私を睨んできました。
「約束はしたが、それは努力するという意味で必ず守るということじゃない」
私は怯むこと無く麗羽に言いました。
「そんなこと聞きたくはありませんわ!さきほどの何処が努力をしたというんですの。単に、話が上手く進まないから、暴力に訴えているだけはありませんの。それは努力とは言いませんわ」
麗羽は耳の痛いことを私に言ってきました。
麗羽の言う通りです。
ですが、この方法で張飛は納得すると思います。
麗羽にそれを理解しろと言っても無理でしょう。
彼女の表情はいつもの笑顔ではなく、怒りを露にして睨みつけています。
このままでは勝負は無理です。
八方塞がりになりました。
「張飛、勝負はしない方向で話し合いたい。それともお前はこのまま勝負を続けたいか?」
私は張飛に休戦の申し入れをしました。
「分かったのだ」
「いいのか?」
私は張飛の素直な反応に驚きました。
「いいと言っているのだ!何度も聞くななのだ!」
張飛は私に向けて怒鳴ってきました。
どういう訳か知りませんが張飛が急に大人しくなってくれました。
私としてはありがたいのですが何故でしょう。
まあ、いいです。
張飛は性格に問題はないですから、話し合いで解決できるならそれにこしたことはないです。
「はぁ、良かったですわ・・・・・・」
麗羽が力が抜けたように、地面に腰を付けました。
「麗羽、大丈夫か?」
私は麗羽に駆け寄り、声を掛けました。
「正宗様、大丈夫ですわ」
麗羽は先程の怒りはなく、やさしく微笑みました。
「こんなところで立ち話はなんだ。お前の家で話をさせて貰えないか?」
私は張飛に家に上げてくれるよう頼みました。
「分かったのだ。でも、そいつは入れないのだ」
彼女は李雪に蛇矛を向け威嚇しました。
以前、街の人間が彼女を取り押さえにきたらしいので信用できないのだろう。
「李雪、悪いが街に帰っていてくれないか。もう大丈夫だと思う。街の人にもそう伝えておいてくれないか?」
「劉ヨウ様、わかりました。張飛のことよろしくお願いします」
李雪は後半の部分は張飛に聞こえない声で言うと、頭を一度下げで街へと帰って行きました。
私はそれを確認すると、張飛に向き直りました。
「入るのだ」
張飛は自分の
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