第44話 張飛
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張飛は私達を睨み怒鳴ってきました。
彼女とは20m位離れていますが、ここからでも強い気迫を感じます。
麗羽と揚羽も彼女の気迫を感じて驚いています。
これが張飛です。
子供ですが、力だけは子供などではないです。
李雪は張飛の気迫に気圧されて、私達の後ろに隠れています。
「私の名前は劉ヨウだ。お前が張飛だな」
「そうなのだ!気安く鈴々の名前を呼ぶななのだ!」
「お前が街で食べ物を盗むから、みんなが迷惑をしている。私はお前に盗みをやめさせるためにここにきた。盗みをやめるなら私が士官の口を紹介する」
「うるさいのだ!何で鈴々がお前の言うことを聞かなくちゃいけないのだ!」
このままでは話が平行線です。
「張飛さんでしたわね。私は袁紹ですわ」
麗羽は私の横に立ち張飛に話しかけた。
「なんなのだ?」
張飛は急に私達の会話に割り込んできた麗羽に警戒しながら応えました。
「あなただって無断で自分の物を取られれば怒るでしょう。みんなだって同じですのよ」
「う、うるさいのだ!お前に関係ないのだ!」
張飛は一瞬言葉を詰まらせましたが、麗羽に向けて叫びました。
どうやら彼女は悪いことをしているという自覚はあるようです。
なら切っ掛けを作ればいいです。
一応、揚羽に妙案はないかと目配せをしました。
揚羽は顔を横に振って、案は無いと伝えてきました。
将来、外交の天才と言われた揚羽にも苦手なものがあるようです。
ここは私でなんとかするしかないです。
「張飛、私と勝負をしないか?」
我ながら安直ですが、一騎打ちの真剣勝負で解決することにしました。
一騎打ちの理由が食料を盗むのを止めさせるためとはお粗末すぎます。
話し合いで治めるにも張飛の私達への敵意を取り除く手段が思いつきません。
「勝負?」
「勝負だ。私がお前に勝てば、私の子分になってもらう。お前が勝てば、私がお前の子分になってやる」
「なんで鈴々がそんなことをしなくちゃいけないのだ!」
張飛は顔を赤らめて私に怒鳴った。
「お前は街から食料を盗むのをやめないと言っている。私はお前にやめろと言っている。これでは時間の無駄だ。お前もその蛇矛を持っている位だ。武芸の嗜み位あるのではないか?なら、これでどちらの言い分が正しいか決める方が簡単だ」
私は自分の双天戟の切っ先を張飛に向けました。
「望むところなのだ!お前なんかケチョンケチョンにしてやるのだ!」
張飛も蛇矛を私に向けてきました。
「正宗様、何を言っていますの!こんな乱暴なこと認めませんわ!張飛さんはまだ子供ですのよ」
麗羽は私と張飛の間に両手を広げて割り込んで来ま
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