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金木犀の許嫁
第十三話 無理はしたら駄目その七

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「美味しいわ」
「そうなのね」
「甘口でね」 
 この味でというのだ。
「凄く美味しいわ」
「それは何よりね」
「ええ、それに食べるとあったまって」
 身体がというのだ。
「汗出そうよ」
「汗をかくこともいいことよ」
「風邪にはね」
「ええ、そうした意味でもね」
「カレーは風邪にいいんだ」
 佐京が言ってきた。
「本当に」
「そういうことね」
「だから」
 佐京はさらに話した。
「どんどん食べて」
「それじゃあね」
「それでまたお薬飲んで寝る」
 風邪薬をというのだ。
「そうして」
「そうしてよく寝たら」
「きっとよくなるから」
 だからだというのだ。
「食べ終わったら寝る」
「しっかりと」
「あとお風呂も入ること」
「風邪ひいててもなの」
「インフルエンザとかでないなら」
 そうであるならというのだ。
「それで身体温める、あと身体も奇麗にしないと」
「駄目だから」
「入る、ただ上がったらすぐに身体を拭いてお布団に入る」
 そうすべきというのだ。
「そうしたらいいから」
「お風呂も入ることね」
「そうしたらいい」
「それじゃあね」
 夜空は佐京の優しい言葉に頷いて応えた。
「そうするわね」
「うん、そうして」
「そうするわね」
「それじゃあ今は」
「カレーね」
「しっかり食べる」
「そうそう、晩ご飯の分もあるから」
 また真昼が言ってきた。
「カレーはね」
「しっかり食べていいのね」
「そうよ。じゃあ食べてね」
「そうするわね」
 夜空は姉に応えてだった。
 そうしてカレーを食べ終えるお風邪薬を飲んだ、そうしてそのうえでじっくりと寝たが三時位に目が覚めてだった。
 布団の中で漫画や本を読んで過ごした、そして夜になると。
 自分からリビングに出るとだ、そこに真昼が来て言ってきた。
「起きたの?」
「いや、三時に起きて今まで本読んでたの」
「そうだったのね」
「お姉ちゃんも?」
「私はちょっと部活の自主練してたの」
「テニスしてたの」
「軽く走って素振りをね」
 ラケットを使ってのそれをというのだ。
「やってたの」
「そうだったのね」
「それで今終わってね」
「晩ご飯の用意しに来たのね」
「カレー温めるつもりなのよ」
「じゃあすぐに温めるのね」
「ええ、あとデザートあるから」
 真昼は夜空にこうも話した。
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