第二章
[8]前話
「大学生の頃刺されたの」
「そうだったの」
「もうすぐに救急車で病院に運ばれて」
そうなってというのだ。
「それでね」
「治療受けたの」
「そうなってね」
それでというのだ。
「血清も打ってもらって」
「大変だったの」
「何ヶ所か刺されて」
そうなってというのだ。
「命の危険もよ」
「あったの」
「それでその後で」
佳織はさらに話した。
「もう一回刺されたら」
「死ぬって言われたの」
「刺された時のショック症状でね」
「その時も死にそうになって」
「次はないってね」
その様にというのだ。
「言われたから」
「佳織さんも気をつけているの」
「だからうちの人に言って」
夫にというのだ。
「息子達にも言って」
「お孫さん達にもなのね」
「言ってるの」
「そうなのね」
「あんな怖い生きもの他にいないわよ」
佳織はこうまで言った。
「だからね」
「気を付けていて」
「皆にも言ってるの、雲雀さんもね」
「スズメバチにはなのね」
「注意してね」
彼女にも言うのだった、それでだった。
佳織はずっとスズメバチには注意し続けてその恐ろしさを解いていった、彼女の話をしっかりと聞いた者はその災厄を受けることはなかった。圭織はそのことを喜んだのだった。
スズメバチに二度目はない 完
2024・4・16
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