005 コーヒーミル
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言うはずだから・・・・おい、それはアメリアの分だ。」
信じられないことだか、この感動的な場面でこの男は、自分のカップにアメリアのために取って置いた分を注ぎ始めたのだ。
「気にしない、気にしない。教授の奥さんになる人には、次の“最高のコーヒー”を出してあげたらいいのさ。いつでも、好きなときに。」
温かい手のひらを私の両頬に感じた。優しい力で、私の顔を引き寄せる。
私を見つめながら、今度はひとつだけ、うなづいてくれた。・・・・そうだな、まぁ、そういうことだな。
彼女を引き寄せ、キスをしながらそう考えた。
「不器用な男の、プロポーズ大作戦に、乾杯。」
ウォルフが小さくつぶやき、コーヒーを口に含む気配がした。
「ウォルフというより、話をしていたのはクリスだったらしいんだが、アメリアに新しい研究の依頼をしばらく前からしていたらしいんだ。
何回かクリスと会って話をしていたら、ま、当然ウォルフとも会うことになる。二人はなかなかのパートナーだからな。
俺と違ってアメリアは二人の顔をちゃんと知っていただろうがね。ウォルフとはそれ以来の腐れ縁で、もう十年近くになるのかなぁ。」
あの野郎は、外見はぜんぜん年をとらねぇ、などと教授は言っているが、実際教官は年齢不詳だ。今の話からすれば三十五から四十くらいのはずだが、いまだに二十台でも通る外見なのだ。
その教官よりも更に年上のはずのクリス特別教官だが、この人も年齢不詳だ。二十代前半でも通るんじゃないか?
だからこそ俺のハートをつかんで放さないわけだが、分かってるよ。ふたりは、な。はぁ・・・。
「と言うことで、お前の部屋は二回の突き当たりだ。向かいがマティルダの部屋だ。ま、仲良くしてやってくれ。」
「はぁ、まあ、それはいいですが・・・え?」
「だから、ここがお前の家と言うことだ。」
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