暁 〜小説投稿サイト〜
とある銀河の物語
005 コーヒーミル
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るので、スマトラ産の一種類だけを買ってきた。
「問題は煎り方だが、さて・・・」
家にあるのは、ごく普通のフライパンと電気式のコンロだ。
なんとなく、うまくいかないような気がする。
それでも、この組み合わせで三回煎って飲んでみた。
それなりのコーヒーを入れれたが、良い市販の豆の方がましといわざるを得なかった。
早くも行き詰った。
いろいろと試したいのだが、何をどうしたらいいのか思い浮かばなかった。
「そういえば、あいつの手つきは・・・。」
上着を着て、財布を持って外に出た。モノ・レールを乗り継いで中華街に行く。
飲食店を覗き込みながら散歩していく。カウンターだけの小さな店を選んで入った。
「チャーハン一つ。」
そういいながら、コックの動きが良く見えそうな席に着く。
「・・・・なるほど。」
そうつぶやいて、そそくさとチャーハンを食べて店を出た。
中華なべと、キャンプ用のガスコンロを買った。
念のため、予備のボンベも二つ買っておいた。
まだ二人とも帰ってきていないようだ。よし。
コンロの準備をして、火をつけ、一握りのグリーン・ビーンを中華なべに落とす。
「さてと・・・」
コックの手際を思い出しながら手首を返した。
勢い良く豆たちが中華なべから飛び出し、そこらじゅうに散らばった。

再び行き詰った。
どうしても、何度試してもイメージどおりにならないのだ。
あの男の手の動き、中華街のコックの手つき、何を見落としているのか?
「だまされているのかな、やっぱり・・・」
つぶやいてみただけだ。
あの男は、私のコーヒーを楽しんでいた。騙しているとは思えない。
「・・・・ニコラ、どうしたの?何かあったの?」
「・・あ、ああ。帰ってたのか。楽しんでこれたかい?」
アメリアとマティルダが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「ええ、おかげさまで、のんびりとさせてもらいました。で、ニコラ、私たちを追い出して何をしていたの?」
「いや、追い出したわけではないんだが・・・」
そういって、今日のいろいろを話して聞かせた。
二人にも、ミルのことと男のことも話してある。
マティルダはともかく、アメリアの理解は早かった。
「なるほど、そんなにはまっちゃったのね。OK、応援しましょ。」
マティルダも嬉しそうにうなずく。
「となると、まずは腹ごしらえからね。」
そういって、アメリアは腕まくりをした。

次にあの男が私のオフィスに顔を出したのは、二ヶ月近くたってからだった。
アメリアの協力で最高のプラクティスと言うやつを確立し、十分実践する時間があったということだ。
“簡単に信じるんだな・・・・いろいろとやってみてくれ”
“嘘は言っていないが、自分なりのやり方ってやつを見つけてくれ”と言う意味だったのだ。
何も言
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