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とある銀河の物語
005 コーヒーミル
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使った日には、せっかく木にしみこんだ香りが台無しになるので、乾いた布とブラシで丁寧に粉を落とした。
コーヒー豆のことが気になっていた。
あの暖かさはローストしてから一時間とは経っていないはずだ。せいぜい二十分と言うところか。
ということはこのアカデミーの近くでローストしたことになるが、いくら探してもローストしてくれるような店が見つからないのだ。
そうこうしているうちに、男がオフィスに現れた。
「教授、いつものやつ。」
「・・・・お前、喫茶店と勘違いしていないか?」
今度はわざわざ男のために買ってきたカップにコーヒーを注いだ。
何で俺が、と思わないでもなかったが、満足そうにため息をつきながらコーヒーを飲んでいる男を見ているとそんなことはどうでも良くなってくる。
「うん、ミルをかわいがってくれてるな。さすが。」
クリーニングのことを言っているのだろう。そんな味の違いまで、よく判るもんだ。
「おい、この間のコーヒー豆、何処で手に入れたんだ?」
「あれはあれで、なかなかうまかったな。だが、今日の方が洗練されている。豆の違いはさておいて。」
「つまり、前の豆で今日入れたらもっとうまかったと言うことだろ?」
今日のコーヒー豆はそれなりにいいのだが、やはり違いは歴然としていた。鮮度が違うのだ。
「今度はその豆で、最高のコーヒーを飲ませてやるから、教えろ。」
男の目が、いたずらぽく光った。ちぇっ、はめられたのか。ま、いいさ。
「あれはな、ここの学食のキッチンから持ってきたのさ。」
「うそだろ!!」
「正確には、キッチンで自分で煎って持ってきた。」
「ま、まじで?どうやって?」
「普通に、フライパンで、こうやって・・・」
チャーハンでも炒めるようなしぐさをカップを持っていない方の手でした。
「・・・十五分から二十五分くらい、好みに合わせて炒めるんだ。冷ます時に適当に風を当てると余分な焦げ皮が飛ばせる。」
自分で煎ったのか。考えもしなかった。手引きのミルといい、いったい何なんだこの男は?
そう思って男の顔を見返した。
「ほう、簡単に信じるんだな。ま、だまされたと思って、いろいろとやってみてくれ。」
そういうと、ポケットから紙切れを取り出し、デスクの上に置いた。
「いいグリーン・ビーンを扱っている店だ。」
グリーン・ビーン、つまり、ロースト前のコーヒー豆のことだ。近くはないが、えらく遠いわけでもない町の住所が書かれていた。
「歴史の先生なんかより、喫茶店のマスターの方が似合ってるんじゃないか?」
また来るよ、といって男は帰っていった。

週末、アメリアとマティルダを「買い物にでもいっといで」といって追い出した。 いろいろやってみることにしたのだ。
いろいろな豆があるといろいろやってみた場合に、味の違いが判らなくな
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