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とある銀河の物語
004 試験終了
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衣もいい加減くたびれていたが、それでも精一杯の笑顔を向けている女性が立っていた。
「お母さん!!」
マティルダの反応は早かった。飛びつくように母親の腕に抱かれに行った。
「・・・・ア、アメリア!無事だったのか!!・・・このやろう!ウォルフ!!どういうことだ!!!」
「ま、話は後だ。部屋を用意してある。三人でゆっくりしてくれ。戦闘艦のキャビンだ。狭いが、とりあえずプライバシーは確保できるから。」
ほれほれと追い立てる。こら、まて、話が先だ、このやろう、と抵抗するウッド教授を軽くあしらい、有無を言わさずにキャビンの押し込む。
「で、どうだい?」
クリスに聞く。クリスはいつも以上にあきれ返っていた。
「ウッド教授は予想以上に早く作り上げたけど、あなたはそれ以上に早く帰ってきたわ。まったく、どうやったら・・・」
首を振りながら、肩をすくめる。
「ま、一人でやればこんなもんだよ。最近出張っていなかったせいか、セキュリティも甘かった。」
と、こともなげに言う。
敵基地の中心部に侵入しての救出作戦で、しかも不十分な情報の元でやらざるを得なかった。
毎度のこととはいえ、呆れてものが言えない。この人に不可能の文字は無いのか?
とにかく、ウォルフの参入が鍵となって、戦略的な奇妙なバランスが作り上げられたのは事実なのだ。
「今回はあなたにやられっぱなしだわ。ナップも、ランも、教授も。」
「お褒めに預かり、光栄ですな。」
クリスの腰を引き寄せ、軽く口づけする。腰はしっかり押し付け、お互いの目が“続きは後で”と確認しあっている。
「とにかく、教授の戦術予報のReviewだ。付き合ってくれ。」

「娘さんも一緒でいいのか、博士?」
狭い戦闘艦だ。士官用のキャビンとはいえ五人も入るとさすがに窮屈だ。
ドリンクを配るにも難儀する。
難儀するが、ウォルフのリクエストで、ウッド教授がコーヒーを入れている。コーヒーの香りが漂ってきた。
先ほどの事があるせいか、ウッドは誰がお前なんかに、と息巻いていたが、娘の「お父さん」の一言で静かになった。
シャワーを浴び、睡眠をとり、量と栄養価だけは充分な食事を取り、三人ともそれなりに元気になったようだ。
心にも、多少の余裕が出来ただろう。三人とも、艦備え付けの作業着に着替えている。
「ええ、今まではニコラと二人だけで話し合ってきたけど、こんなことが起こってしまったからね。・・・もう、子供じゃないと思うことにしたわ。」
「教授?」
「・・・いくら戦闘艦だからといって、もう少しいいコーヒーを使えよ。士気に関わるぞ。」
半ば本気で言っているようだ。
「傾聴に値する意見だが、これからの話にこの娘を入れてもかまわないのか、と聞いてるんだ。」
「ふん、もう、子供じゃ、ない。ごまかせも、しない。仕方がなかろう
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