004 試験終了
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ったのだから。」
ああ、そんなことを、ナップは出発前に言っていた・・・
「そして私は、五日で終わることを前提に後のことを考えていた。・・・・ラン。」
「イェス、マァム。」
いつもの、ゆったりとしたランではなく、緊張している。決して痛みのせいだけではないだろう。
「この最終試験で、命を落とすとしたらあなただと思っていた。」
このメンバーにとって、なんと驚きの多い一日であることか。
「あなたは要領もよく、理解も早く、基本性能がとても高い。またそれをあなた自身がよく理解してる。だから逆に、いろいろと隙が多かったのよ。つまり自分の隙が見えていなかった。」
「イェス、マァム。」
「私は、今回の最終試験に選ぶつもりは無かったのだけれど、ウォルフが“ま、大丈夫でしょ”の一言で入れたのよね。」
話し始めて、初めてクリスの口元に笑みが混じった。
「私はあなたが帰ってこないということも、ある意味覚悟していた。でも、肋骨のヒビ程度で帰ってきて、私の前に立っている。」
「イェス、マァム。」
「・・・どうやら、いろいろと気づいて、帰ってきたようだしね。」
「・・・イェス、・・・マァム。」
「今回も、ウォルフ教官の見る目は確かだったということになりそうね。今後に、期待させていただくわ。」
「アイ・アイ・マァム。」冷や汗びっしょりだ。
「もちろん、あなた方にも。みんな怪我も無く、エクストラ・ミッションにもよく対応してくれました。・・・ちょっと早いけど、卒業、おめでとう。」
「イェス、マァム。サンキュー、マァム。」
クリス特別教官が簡易医務室を出ると、ランがその場に崩れ落ちた。
皆が駆け寄る。
「・・・・これが・・・これが・・・まったく・・・・」
バルロスとミアルに支えられながら、ベットに戻った。
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「戦術予報だ。」
ウッド教授に呼ばれ、情報処理室の外で待機していたクリスは、彼の姿を見て少し眉を上げた。
全身全霊をつぎ込んだのだろう。数時間でげっそりやつれたようだ。
「これ以上のものを作れといっても、絶対に出来ない。」
コム・パッドをクリスに手渡しながら言う。
「ありがとうございます。そしてお疲れ様でした、教授。」
「あいさつなんぞはいい。とっととチームに送ってやれ。」
「ほいよ。」
クリスの横から手が伸び、コム・パッドを取り上げる。
その手をたどっていくと、どこかで見た顔が乗っていた。
薄いサングラスをかけ、細まきの葉巻をくわえている。こいつは・・・
「ウォルフ!何してんだ、こんなとこで!!」
「ごあいさつだな。」右手の親指を動かす。後ろを見ろよ、と。
こちらもやつれ、来ている白
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