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とある銀河の物語
004 試験終了
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私に言ったんだ。“どんなひどい命令でも、必ず遂行してみせると思っていました。ですが、ひどい過ちでした。申し訳ありませんでした。あなたの指揮は完璧でした”だとさ。そういわれて、逆に未練がなくなってね。ああ、ここでは俺はもう過去に人間なんだな、って。」
しばらく沈黙が流れた。
二人とも大人である。静かな時間の流し方も、心得ている。
「なんにしても、この小隊を運営するに当たって、君の協力が絶対的に必要だ。お願いできるかね?」
「条件が二つあります。」
「ほう?なんだろう。」
「そう上官として命令してください。」
「・・・・そうだな、変なことを言った。忘れてくれ。・・・上官として小隊運営の協力を要請する。・・・・これでいいかな?」
顔を引き締め、姿勢を正してリリアは答えた。
「イエス・サー。アイ・アイ・サー」
「・・・・で、もうひとつの条件とは?」
「ドック入りしたら、一度食事に連れて行ってください。・・・・尊敬する上官への、部下からのお願いです。」
なるほど、こういうコミュニケーションも、あるのか。
「了解した。が、場所を知らない。行きたいところを選んでくれないか?」
「喜んで。・・・・そんなに高くないところを。三人分・・・・その、あなたの・・・・分も。」
「ありがとう。彼女も喜ぶだろう。感謝する。」
バルロスは、敬礼しようとして途中でやめ、そのままリリアに手を差し出した。
リリアもあわてて握り返したが、手のひらの汗が気になりすぐに手を引っ込めてしまった。

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念願の特務隊に配属された。
しかもどうやら、いわく付きらしい。
士官を押しのけて隊長になる曹長。
多くの部隊が欲しがっている“何でも屋”。
仕官で高速戦闘機隊のエースの配属。
後の若い二人も、いろいろとありそうだ。
特にナップ。
最終試験前に“コードネーム”をもらい、とんでもない課題を押し付けられ、課題以上のことをして回収されても“予想以下”といわれる男。
そして次が重要だ。
年上の女が好み。私のほうが五才は年上だ。
別に男を漁るために特務隊に入りたかったわけではない。
が、出来れば楽しく過ごしたいではないか。
ナップはなかなか可愛げがある。
でもランも捨てがたい。
私よりも年下のはずだが、落ち着いていてとても大人びている。
二人とも、どんな女が好みなのだろう?
ま、これからチームを組むわけだから、いろいろと知る機会はこれからいくらでもある。


「よう、調子はどうだい?」
充分に睡眠をとったナップは元気一杯だ。
憧れの人に“予想以下”などといわれて落ち込みはしたが、いつまでも落ち込ん
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