003 教授と博士とマティルダ
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棄が決定されており、私たちの監禁、そしてアメリアが要求を呑まなければ私たちの処刑を最後に爆破されることとなっていた。
私たちは処刑される寸前だったから、アメリアも必死で抵抗し続けていたのだろう。私たちの、願うとおりに。
同居人として生活している間に、いろいろと現実的な話をした。
つまり、アメリア・ジョースター博士は充分テロの対象となるくらいの重要人物なのだ、という話だ。
この事を、あらゆる意味ではっきりさせておかないとアメリアとの結婚は、単なる夢物語だ。
「自分の命よりも、あなたの命よりも、マティルダの命を優先したいという女を愛してくれますか?」
「俺の命よりも、君の命よりも、マティルダと後に生まれてくる子供たちの命を優先したいという男と、まだ結婚したいと思ってくれるかね?」
「今はまだお互いに言葉だけだわ。実際に試すなんてこと、出来ないんだからとにかく自分自身で洗脳するしかないわね。」
テロの対象は第一にアメリア自身、次に彼女の研究、そして家族だろう。
考え付く限りの状況を洗い出し、一つ一つにどう対処していくかを詰めていった。
アメリアが捕らえられ、私とマティルダが人質となってアメリアに協力を強要するという今回の状況も、もちろん、あった。
私は、ただ全力でマティルダを守る。アメリアは、とにかく答えを引き伸ばす。
そして引き伸ばせなくなったら、つまりマティルダの命に関わる段階になったら、協力する。ある程度までは、協力するしかない。
協力して、時間を稼いで、状況の変化を待つ。そして、その跡に究極の選択が待っているのだが・・・
今、私たちは処刑される寸前で救出された。
抵抗を続けていたアメリアに対して脅迫材料がなくなったやつらは、いったいどうする?
どの程度まで、アメリアは譲歩していたのだろう?或いは、まったくしていなかったのか?私たちは銃殺される寸前だったのだ。
プログラムされたことだけを実行する旧式のアンドロイドだけしかいなかった。
何処までプログラムされていたのか。されていなかったのか。
情報が少なすぎた。タイミングが、きわどすぎた。
不意に、無様なほどに、身体が震えてきた。まだ、続くのか。この恐怖が。
家族を失うという、恐怖。
「・・・・・・く、・・・・くそっ・・・し、しかし・・・俺が・・・・俺には・・・・」
マティルダのためを思って耐えてきた恐怖。失いたくないから、耐えてきた。
目の前にマティルダがいるから耐えられたのだ。耐えてこれたのだ。
やっと、マティルダは、マティルダだけは救えると、アメリアと私の願いの通りに、それだけを思っていたのに・・・・私にはもうひとつの恐怖があったのだ。
アメリア。
何処にいるかもわからない、連絡なぞ取りようも無い。何をしているのか、どう扱われているのか、まだ生
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