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とある銀河の物語
003 教授と博士とマティルダ
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彼女の言い分が通り、逆に名物となって定着した。

「あなたが、あの名前負けで有名なニコラ・テスラ・ウッドね。」
一応、ニコラ・テスラ・アカデミーで教鞭をとっている私は、突然のこの挨拶に面食らった。
私の名前は、そう、ニコラ・テスラ・ウッドだ。もちろん、アカデミーの名前に由来する天才発明家とは何の縁もゆかりもない。
なるべく面倒を避けるため、自己紹介も、ラスト・ネームだけで済ませれる場合はそれで済ませてしまっている。名刺なんぞ持ち歩いたことも無い。
ただの偶然というやつだ。畑も違う。向こうは発明王の異名を持つ天才科学者、私は歴史の教師だ。しかも軍事史が大好きと言う、もうじき三十路を迎えるオタク系だ。
そして不覚にも、私はこのとき彼女が誰だかまったく分からなかったのだ。
「娘さんの学校見学ですか?それにしてはちょっと早すぎるようですがね。」
目を手元に戻しながらつぶやくようにいった。ぶしつけな言い回しに多少は気を悪くしている、ということがわかる程度のつぶやきだ。
キンダーに入るかはいらないかの、母親のスカートを左手でつかんだ女の子を連れていた。
もちろん本当に気を悪くしたわけではない。もうじき三十路の大人なのだ。
「あははは、いやね、来月からしばらくここで教えることになったの。急な話だったので住むところとか決まってなくて、とにかく連れて来ちゃったのよ。」
全然気にしていないようだ。
「そうですか、大変ですね。」
そう答えつつ自分の作業に戻った。と言っても昼食をとっているだけなのだが、ここは職員用のカフェなのだから何の不思議もない。
「そうなのよ、大変なのよ。」
そういいながら、空いている私の前の席に二人して座った。
何なんだろう、ほかにも席はたくさん空いているのに。
美人に話しかけられる幸運を喜ぶより、つい疑ってしまう。その程度の出会いしか、今までは無かった。
そんな自分が、こんな幸運に突然恵まれるとも思えない。喜んだって簡単に裏切られるのが落ちだろう。
「・・・甘いものが、好きなのかな?」
物欲しそうに私のトレイの上に載っている、デザートを見つめている女の子に話しかけた。
希望の無い、当たり障りのない大人の会話に気を使うより、こんな大人の会話につき合わされている小さな女の子に気を使うほうがよっぽどましだ。
「ほら、あそこにお皿がたくさんあるだろう?とっておいで、フォークと一緒に。」
嬉しそうに顔を輝かせながら、パタパタと走っていった。
「走っちゃだめよ、マティルダ!!」
女の子の背中にそういうと、私のほうに顔を向けた。あの女の子に負けない笑顔をして。
絶世の美女、というわけではもちろん無い。
大体美しさなんて、個人の好みで大きく左右されるものだろう。それでも馬鹿な男たちはそれすらも話題として取り上げ、白
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