第3話:ズルの意味を知る人が足りない……
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赤くしおってかわゆい奴よ。
って!そんな場合じゃないな!
「で、敵大将はどっちにおるか解るか?」
「1番偉そうなのは、あそこの方眼鏡の御爺さんだよ!」
上等!
やはりアニマの動物を操る魔法は、忍者不足に悩む豊臣秀吉にとっては救世主よ!
で、私が光刃を放って前方にいる敵鉄砲隊ごとアニマが言ったおっさんを吹き飛ばす。
そうなれば現金なもので、指揮官を失った混乱が早々と敵にも浸透する。
エイジオブ帝国は戦技や魔法に乏し過ぎると言うが、それを数と武器と策で誤魔化そうとした。
が、故にその策を支える指揮官が突然死亡すれば、簡単に敵は混乱する。何をしたら良いのか解らなくなるからのう!
「アニマ!今の内に逃げるぞ!」
その時、豊臣秀吉は自分の部隊に無謀な突撃を強要した報いを受ける様に討死したトッシンの遺体が目に入ったので、こいつの首を持ち帰ってトッシンの間違いを堂々と訴えようと思ったが、
「何故だ……」
先程ズルに走りかけた豊臣秀吉を徹底的に馬鹿にした一般兵の最期の言葉が、豊臣秀吉の目と耳に入った。
「トッシン様の戦い方には全て正しい筈なのに……何故……何故……」
……これは……トッシンが何で死んだのかを必死に訴え、何故戦争にズルが必要かを伝えても、聞く側が理解出来なければ意味が無いと悟り、それなら、まだ使い道があるアニマを生きてこの戦場から助け出す方が得策だな!
こうして、私はアニマを連れてこの敗戦濃厚な戦場を脱出してトッシンの遺体をその戦場に置き去りにした。
そんな事をしたら、敵軍は大将首を得たと喜び士気が上がってしまうだろう……
だが、生きておれば……生還さえ出来れば逆転の可能性がある。
豊臣秀吉はそっちに賭ける事にしたのだ!
幸い、アニマもトッシンを殺した戦場から無事生還した様だしな!それが1番大きい!
私は、自身がムソーウ王国の将校としての実力を有している事を証明する為の決闘に勝利し、アニマを私が率いる部隊に置く事を許可された。
アニマはこの事に首を傾げた様で、
「何でこんな事をしてるんですか?将校に成りたいのであれば素直にそう言えば―――」
アニマの言う事も尤もだが、それは聞く側がそこそこ賢くてそこそこ部下想いな者であればの話じゃ。
「それが1番の近道であればそうするし、それが1番正しい事なのだろうが、馬鹿な頑固者の説得にはかなぁーりの時間が掛かるし、トッシンとか言う突撃馬鹿が戦死したくらいで戦術が180度変わると言うのであれば、とっくの昔に戦術を変えとるわ」
「それじゃあ、トッシンさんの死は何だったの?」
アニマのこの質問に豊臣秀吉は冷徹に答えた。
「無駄死にどころか祖国にとってはいい迷惑じゃ。犬死ですら
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