第3話:ズルの意味を知る人が足りない……
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父上であるムソーウ王国国王に謁見するやいなや、私はいきなり大声て怒鳴られてしまった。
「この大馬鹿者!」
何で私が怒られているの?
私、部下を1人も殺さずに敵に勝ったんだよ!
「櫓を1つ破壊されただけで逃走とは、貴様は我が国の信頼を潰す気か!?」
いやいや!
部下の命を惜しんで撤退を命じるより、部下を無駄に犬死させ続ける方がヤバいでしょ普通!
それが解らぬ様では、長篠で信長様に敗けた武田勝頼の方がまーだ戦上手だぞ。
「それと、戦場での使い道が一切無いアニマを無理矢理戦場に連れて往くとは、貴様の目は節穴か!」
そこまで言うのであれば、高井楼や望遠鏡より優秀な諜報方法を沢山用意して下さいまし。そうすれば、アニマの動物を操る魔法に頼らずとも勝利して魅せますわ!
と言うか……私の父上ながら……アニマの動物を操る魔法の恐ろしさをまるで解っておらぬなこの馬鹿は!
「その上、不要な移動をして労力の無駄使いを犯すとは、お前は本当に部隊を指揮する資格が有るのか!?」
それは全て敵鉄砲隊を無力化する為の策……つまり『逃げるふり』と言う物ではないですかぁ。
そう言えば、九州の島津も『逃げるふり』が大好きだったなぁ……
「まったく、褒める点が1つも無いとは……貴様は我を『無能な愛娘を部将に仕立て上げた親バカ』と罵る心算か!」
馬鹿はアンタだよ。
と言うか、『逃げるふり』が救い難いズルと言ってる時点で、本当に戦争に勝つ心算なのかを疑う。
かつての豊臣秀吉なんか、『逃げるふり』とは比べ物にならない程のズルを沢山してきたんだよ!
墨俣一夜城!
三木城干殺し!
高松城水攻め!
大宴会in小田原城前!
それに比べたら、『逃げるふり』なんて可愛い初歩ではございませぬか!
「と言う訳で」
どう言う訳?意味が解りませぇーん。
「オラウ・タ・ムソーウは降格!以後、トッシン将軍の許で正しい戦い方をちゃんと学ぶ様に!」
しまったぁー!
ツッコミどころが多過ぎて、言い訳や屁理屈を言う暇が無かったぁー!
それより、豊臣秀吉が現地点でもっと気にする事をせめて訊かねば。
「この私が降格した事で、私の部下となったアニマ・マッホーウの配属先に変化はあるのですか?」
だが、その答えが……
「馬鹿者!」
何でじゃ!?
「そんな事だから貴様の目は節穴だと言うのだ!」
いや、だからアニマの動物を操る魔法は使い方によっては物凄く危険な―――
「兵士達がお前の事をなんて呼んでいるか知ってるか?」
そのタイミングでそれを言うとは……嫌な予感しかしないなぁ……
「無能愚行姫だ馬鹿者め!トッシンにはお前に正しい戦い方をちゃんと伝授させるから、ちゃんと正しく学ぶのだぞ!」
正しい戦い方?
そんなものはございませーん。
強いて言えば、
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