第12話
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ハドラーちゃんにそう言われたフレイザード2号の脳裏に、突如ポップがキルバーンの◇の9を破壊する為に放った最後の切り札が浮かぶ。
「それってつまり……あの鬱陶しい連携さえ無ければ勝てるって訳だね……」
フレイザード2号の目つきが変わったのに気付いたハドラーちゃんが力強く首を縦に振った。
「……ああ……あの連携を崩してしまえばこっちのものだ!」
「なら……あの3匹の内のどれかを真上に放り投げて!私がそいつを消すから!」
「消す……我を、か?」
フレイザード2号の提案にわざと乗ったシドードラゴンがりゅうおうもどきと協力して不思議な霧を解き放つ。
「竜眼の波動」
そして、シドードラゴンがフレイザード2号の真上に移動した。
「さあ……移動して、やったぞ……遠慮無く、我を、消すがいい……」
一方のフレイザード2号は、右手から吐く灼熱の炎と左手から吐くあまりの低温で凍った大気が輝くほどの猛吹雪を眼前でぶつけ合っていた。
「ぐおおぉー!」
(あの技……いや、呪文はまさか!?)
一方、フレイザード2号の行動の意味が全く解らないゾーマズレディが嘲笑う。
「馬鹿かアンタ?炎と氷をぶつけ合って何が楽しい?双方が消滅するだけ……」
と思いきや、灼熱の炎と輝く息が合体して虹色の光を放つ光の弓矢となった。
「やはりアレか!?」
シドードラゴンがその光を凝視していると、
「極大消滅呪文」
フレイザード2号は、ポップがキルバーンの◇の9を破壊しようとした時と同様に、極大消滅呪文を真上に放ち、真上にいたシドードラゴンを虹色の閃光で包んだ。
灼熱の炎と輝く息がお互い相殺し合っただけで虹色の光矢が生まれると言う支離滅裂な展開を前に、りゅうおうもどきは無言でアングリとし、ゾーマズレディは弱々しく呟く。
「キ、キレー」
(灼熱の炎と輝く息がぶつかり合ってお互い消滅しただけで、あんな強力過ぎる矢が生まれるだなんて……支離滅裂過ぎるだろぉー!)
シドードラゴンに至っては「キレー」に画面外にフレームアウトしてしまった。
一方の極大消滅呪文と言う支離滅裂をやってのけたフレイザード2号が自信満々にハドラーちゃんに問うた。
「さあ、連携は崩したよ。これで勝てるよね!?」
それに対し、ハドラーちゃんは力強く頷いた。
「あぁ!上出来だ!」
闘志を取り戻したゾーマズレディが慌てて動く。
(負けるか!)
下半身が鳥籠のようになっているのを利用してフレイザード2号の動きを封じようとするゾーマズレディだが、閉じ込められたフレイザード2号が不敵に挑発する。
「良いのかなぁー?私の真上にいてもぉー?」
フレイザード2号が再び極大消滅呪文の発動準備
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