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邪教、引き継ぎます
第三章
22.ロンダルキアの目
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るんだとよ」

 少女は素直に、カインの察しのよさに驚きの表情を浮かべていた。

「それに、ブリザードやデビルロードたちはここの天気をだいたい当てることができる。だから大雪が降るのもわかってた。で、お前たちは何も見えないと風向きくらいしか自分が進んでいる方向の見当をつける方法はないだろ? だからお前たちの位置を把握したら、ブリザード隊に風をうまい具合に操作してもらって、お前たちをバラバラにしたってことさ」

 オレが考えた作戦じゃないけどな――と少女は付け加える。
 カインは「うーん」とうなった。

「不思議だね。魔物ってこんなに協力し合うもんだったかなあ」
「ボスが弱すぎるからな。この前も過労でぶっ倒れてたし」

 さて戦おうぜ、と、バーサーカーの少女は斧をクルっと回して構え直す。
 だがカインは左手でそれを制した。

「あ、ちょっと待って」
「なんだよ。お前この前もそうだったけどゴチャゴチャうるさいぞ」
「一つ確認したい。僕と戦う役は、君とキラーマシン二体だけ?」
「そうだよ。お前には中途半端に大人数でかかってもまとめてベギラマで丸焼きにされるだけで意味ないだろ」
「なるほど。そうかも?」

 ここでようやくカインは愛用の細身の剣――隼の剣を抜き、構えた。

「ありがと。それだけわかればいいよ」

 どうやら、このバーサーカーを早めに片付けてロスに加勢しないと危ない。
 今の情報でカインはそう判断した。

「僕を相手に君が時間稼ぎをして、その間にロスを大人数で襲うつもりだろうけど。そうはさせないよ」
「時間稼ぎ? オレはお前を倒すつもりだっ」

 剣と斧が、ぶつかり合った。
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