第三章
22.ロンダルキアの目
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ンダルキアの天気はこんなに急変するものなのだろうかと、土地勘のないカインは驚く。
真っ白な景色のなかを、さまよう。
全員近くにいたはずなのに、誰も見つからない。
とにかく何も見えず、奥行きすら感じない白。すぐに、自分がどこをどう進んでいるのかもわからなくなった。
サマルトリアではそもそも雪が降ることがまずない。ローレシアでもそうだろう。このようなときの対処法がわからない。
カインとしてはロスや荷物持ちの兵士たちが心配だった。
やや焦りながら、探し歩く。
だが、行けども行けども見つからず。
寒さで手足の感覚がおかしくなってくる。
もしかして下手に動かないほうがよかったのか? と思い始めたとき……。
急に、風が弱まった。
少し先まで見えるようになった瞬間、人影が一つ、カインの前方に見えた。
続いてその人影の後ろにも、影がいくつか。
その影たちは、すぐに実体となった。
「……!」
ロスたちではなかった。
カインの前に現れたのは、一人のバーサーカーと、二体のキラーマシンだった。
「あのときのバーサーカーかな?」
「そうだ。久しぶりだな」
服装こそ違うが、そのバーサーカーは種族の特徴でもある独特な仮面を着けていない。
そのため、大灯台の最上階で戦ったバーサーカーの少女だということはカインにもわかった。
「どうしたの、そのピッチピチな服」
「前の服はお前に切り刻まれてダメにされちまったからな。新しいやつを胡散臭い人間にもらったんだ」
緑と濃紺が基調になっているその服は、首から下のほぼ全身に密着するように覆っていた。生地はいかにも薄そうだが、肩や膝などの関節部分や、首の後ろから背中の上部にかけては小さな金属で補強されている。
まだ少女であるとわかる褐色肌の顔に、程よい長さでハリのある真紅の髪を持つ頭部。それらは一見露出しているように見える。が、カインはわずかな反射光があることや、髪に雪がまったく付着していないことを見逃さなかった。首から上は透明なガラスのようなもので覆われているようだ。
「この前の借りを返せるのは嬉しいぜ」
そう言って斧を構える、バーサーカーの少女。
「……もしかして、僕たちが来たのってとっくの昔にバレてた? んー、ロンダルキアへの洞窟に入った時点か、抜けた時点で、連絡がそっちの本拠地まですぐに飛ぶような仕組みがあって、僕たちは待ち構えられてたってとこかな?」
「まあ、そんなとこだ」
「あんなに視界が悪かったのに僕たちの位置を正確に捕捉できたのはなんでだろ。やっぱり君たちのなかに吹雪でも遠くまで目が見える魔物がいるのかい」
「お前カンがいいな。オレも知らなかったけどキラーマシンはわか
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