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とある銀河の物語
002 ナップと教授とマティルダ
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。伏せていてください。口をあけて耳をふさいで!」二人に覆いかぶさった。
投げた地雷が爆発し、近くの地雷がいくつか誘爆した。
「ミスター、立てますか?走ります。」よく聞こえていないようだ。
もうひとつの閃光グレネードを建物の開きっぱなしの玄関に向けて投げつけた。ワンバウンドして中に入っていく。今日は運がいい。
女の子を背負い、白衣の男をを助け起こし、そのまま手を引いていく。男はよろけながらもついてきた。パニックには陥っていないようだ。目に強い光がある。
全部地雷が誘爆していることを願いながら、破れた電磁柵から走り出た。

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一時間ほどは走っただろう。
白衣の男は、決して根を上げなかったが気力だけで走っていることが見て取れた。
ちょっとした岩場に差し掛かったのを機にようやく足を止めた。
「少し休みましょう。」
白衣の男は、まともに止まることが出来ずに俺の横を駆け抜けようとした。
「ミスター!」
右手で男の腹部を抱えるようにして勢いを殺し、そのまま横にならせた。娘も下ろす。
男はフイゴのように胸を上下させてあえいでいた。しばらくは口も利けないだろうな。
フィルターを出し、女の子に渡す。
「少しだが水が入っている。ここから吸い出すんだ。」
黙って受け取り、俺を見つめる。
「あまりいい乗りごごちではなかっただろう?すまなかったね。」
なんか、くだらないことを言ってしまった。困ったな、まだ見つめているよ。別のフィルターを地面に刺した。少しでも水分を吸い上げれればいいんだが。
「先に、父に、上げてください。わたしは、大丈夫です。」
「そうか、ではこれを持っているといい。お腹が空いたら食べるんだ。小さいが、カロリーがとても高い。味もそんなに、悪くない。」
携帯バーを三本渡した。
十歳くらいだろうか。ちょっとくすんだ感じの、くせのある金髪、長さは肩を超えている。
シャワーを浴びさせて、きれいな服に着せ替えたらすばらしくかわいい子なのかもなぁ・・・とも思ったが、それどころではない。
さて、これから、どうするか・・・・。

「礼を、言う・・・・。」
ようやく、言葉が出るようになったようだ。
「毎日、、、怯えて、、いつ、、、この日が、、、、とにかく、、、。」
「無理にしゃべらなくてもいいです、ミスター。少し水分を取ってください。出来れば、カロリーバーも。」
「う、、む、、。」
娘がフィルターを男の口に持っていく。カロリーバーも渡したようだ。

水分を取り、カロリーを補給したせいだろう、男も娘もずいぶんと落ち着いたようだ。
「少し歩きましょう。この岩場は走ってはいけませんし。とにかく移動
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