002 ナップと教授とマティルダ
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。地上三階の建物で、倉庫とか工場というよりも事務所に近い印象だ。
柵の中の、ほぼ中央にその建物があり、柵までは五十メートルほどか。明るくなってきた日差しの中でよく見ると、結構くたびれた建物だ。
特に車両やヘリなどが出入りしている形跡も見当たらない。 昨日崖の上から見た限りでは、どの方向へも轍は伸びていなかった。
物資の補給はどうしているのか?
日差しが地面を暖め始め、汗をかき始めたころに、やっと動きがあった。
一階の、正面の玄関(建物の真ん中あたりにあるからだ)が開き、人が出てきた。中肉中背の、薄汚れた研究者用らしい白衣の男と、これも薄汚れたシャツとスカートを着た女の子だ。
なんだろう、囚人の親子か?午前中の散歩とでも言うのか?
散歩にしては、なんだか元気がないな。たとえ囚人だとして、単なる日課の散歩だとして、これだけの日差しの中に出てくれば何らかの反応をしてもよさそうなものだ。
まぶしそうに太陽を見上げるとか、とりあえず伸びをするとか・・・
玄関から、また人が出てきた。今度は三人だ。銃を持っているところを見ると、看守か?
しかしいくら日差しが強いからといって、フルフェイスのヘルメットと、ボディ・アーマーはないだろう。
出てきた三人は、玄関の前に横に並び、銃を縦に持って微動だにしない。
ロボット、いや、アンドロイドだったのか。いやな予感がする。
多少危険だが、予感に従い行動を起こした。
内心、“余計な事しすきじゃないのか?”との思いもある。これはただの“偵察ミッション”のはずだ。
だが偵察するからには、その先に何か目的があるはずだ。例えば、破壊工作とか、救出ミッションとか。
その、先にある目的をやりやすくしておくのも、偵察の一部といえるんじゃないかな?なに、ちょっとした根回しみたいなものさ。
地雷をよけつつ、出来るだけ近づいた。どうせやるならうまいタイミングで、一発で決めたいものだ。
ゆっくりと、白衣の男と女の子がこちらに近づいてくる。白衣の男が女のこの方に左手をかけ、女の子は自分で自分を抱くようにしている。
柵まであと十メートルくらいか。
アンドロイドに動きがあった。
アンドロイドからなるべく見えないように二人の陰に入るようにしてひざ立ちになり、山なりにグレネードを投げる。
そして立ち上がり、身振りを交えて二人に言う。「伏せろ」
そのまま掘り起こしておいた地雷を電磁柵に投げつけた。
なかなかうまいタイミングだったようだ。
最初に投げた閃光グレネードは銃を二人に向けつつあったアンドロイドの前に落ち、発光した。ほとんど瞬間で視覚システムが焼ききれただろう。
同じタイミングで電磁柵が爆発し派手な火花を上げた。すぐに立ち上がり、後方に残りの地雷を投げ、二人のほうに駆け寄る。
「まだです
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