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とある銀河の物語
002 ナップと教授とマティルダ
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定の範囲内というやつですな。」「OK」「了解」と誰も動じない。
「降下の順番の変更があるし、期間を短縮せざるを得ないものもいる、が、私から説明してかまわんかね、リリア?」
「あら、気を使わないでくださいな、ボス。」
「ありがとう。・・・でもボスは辞めてくれ。とにかく、いまのうちは・・・。」
「アイ・アイ。」
「では、新しいスケジュールは、こうだ・・・・」

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とりあえず、移動は順調に進んでいる。
この四日間で移動した距離は1200km余りだ。
疲労はしている。してはいるが困憊ではない。適度に緊張していて、感覚が通常以上に鋭くなっている気がする。
話す相手もなく、定期的に現在位置を確認し、休み、エネルギーを補給する。それだけに集中してきた結果だ。
五日目を迎え、今日中に偵察目標に出来るだけ近づかなければならない。そうなってくると、同じペースで移動するにしても、意識が違ってくる。いや、意識を変えなければいけない。
目標に近づくということは、発見される確立が高くなるということだ。でも、ペースを下げるわけにはいかない。頼れるのは、自分の注意力、観察力、それと直感だけだ。
機械のように自動的に動いている自分がいる。また、それを眺めている自分もいる。機械のように動いている自分の、見ているものを見ている、そんな自分もいる。
移動することだけに集中する自分を、周りを観察しながら移動する自分に変えただけで、こうだ。

自分はいったい何人いるのだろう。いや、本当の自分はどこにいるのだろう。どれが本当の自分だろう。

突然、地に伏した自分がいる。なぜだ?なにかが、視界の端のほうで動いたからだ。この四日間、何の動きもなかった。五日目にして初めての動き。目標に近づいてからの、初めての動き。
それほど近い距離ではなかった。だが、どちらに動いているかまでは見極められなかった。幸い、体が自動的に地形のくぼみを選んで伏せたので、よほど近づかなければ見つかることはないだろう。もし、敵であるならば、だ。
瞬きもせずに、待った。
感覚の糸を伸ばす、そんな感じだ。糸を伸ばし、探っていく。動きの見えた方へ。伸ばす。糸を、伸ばしていく。
何もない。見間違いだったのか。ゆっくりと、ゆっくりと頭を上げ、視界を広げていく。どうやら、ちょっとしだ崖に近づいていたようだ。いつのまにか、日も落ちかかっている。
動きの見えたほうに視線を凝らした。そこに動き
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