002 ナップと教授とマティルダ
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たナップは“最高の捨て石”候補に上がっているということじゃないかしらね?」
「ほうほう、そんなことがあったのか。」
「初耳だなぁ。」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!どうしてそんなほうに話が進むんだ?こんなの、あの教官のいつもの嫌がらせみたいなもんだよ。大体捨て石に最高だなんて言われたってちっともうれしくない。」
「マール、じゃなかったナップよ。」一生懸命まじめな顔を作ったランが言う。「捨て石だろうがなんだろうが、あの教官に“最高”と言われたんだぜ。これはちょっとした事件だと思うんだがなぁ。」
「しかもキャンプ入り前にいわれたというんだからなぁ、どうよ。」皮肉っぽく笑いながらはミアルだ。
「俺なんか、“一人くらい、いいんじゃないの?”ですよ。」これはラン。
「それはそれで異例だけどね。ランの成績が上々だったので教官の見る目は確かだってことに落ち着いたわよね、あのときは。」とリリア。
「まぁ、人の見る目のない教官だったら、このキャンプはやっていけないでしょうしね。」エムの声は涼しい。
青ランプがついた。降下の時間だ。
「・・・よし、わかった。一番初めに降下する最年少の俺に気を使ってくれてありがとう。たとえ荒唐無稽な話でも俺を勇気付けてくれようとするみんなの気持ちはよくわかったよ。」
装備を身につけ、降下ワイヤーに腰のアタッチメントを繋げた。左のつま先を鐙に入れる。
ランプが黄色に変わる。皆が下がり、手近なものにつかまった。皆が俺を見ている。
何か言いたい、言わなければと思うが、言葉が出ない。ちきしょう・・・。黄色が点滅し始めた。
「Good luck!!」
ランプが赤に変わると同時に壁がスライドし、俺は突然出来た闇の中に飛び込んだ。ワイヤーがリリースされる。
ファースト・ミッションの始まりだ。
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「・・・荒唐無稽、だってさ。」とエム。
「意外に四文字熟語に詳しいやつだったんだな。」とラン。
「おやっさんが“人生を豊かにするため”にいろいろと教えているらしいぜ。」とミアル。「俺にも、暇を見て経理を教えてやってくれ、といってきた。」
「最高の捨て石に経理、ねぇ・・・。」相変わらず、リリアは楽しそうだ。「どんな人生になるのかしら。」
「さて、マール、じゃないナップのスケジュールが八日から六日に変わったことで、どうやらわれわれのスケジュールも変更されるらしい。」何か聞いているらしいバルロスが言う。
「ま、想
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