002 ナップと教授とマティルダ
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め込んだ。 コミュニケーターは欠かせないが、どんな些細なことでも兼用できるものがあれば兼用できる可能性を持ったタイプを選んだ。 例えば、コミュニケーターの裏が平らならまな板代わりに使えることだってあるのだ。 実際その手のタイプ、つまり二重底になっていて、中に折りたたみ式のスプーンとフォーク、塩、こしょうのパックが入っていて、底蓋自体が皿代わりになる奴をバックパックに入れてある。水分に関しては、大気中から集めるフィルターと、地面から吸い上げるフィルターを用意した。走っている最中に200ccくらいは集めれると思うし、寝ている間に500ccくらいは集めれるはずだ。
今回特筆すべきは、携帯武器の少なさだ。 旧式の消音銃と予備のクリップ二本。 それと特殊型のグレネードが二個。 コンバットナイフ一本に小型ナイフがいくつか。 これだけである。
「これはまた思い切ったな。記録的な少なさだ。お前、本当に帰ってくるつもりがあるのか?」ランの言葉は、冗談めかしてはいるが本音だろう。
「帰ってくるつもりがあるから少なくするのさ。大体見つからないことが前提の偵察ミッションだろ?本当はグレネードも持っていきたくはないんだけどね。」
「でも持っていくのね。どうしてかしら?」リリアは何か楽しそうに言う。
「最低限のエスケーププランの確保のためですよ。見つかりたくはないけど、見つかってしまった場合のことも想定しておかないとね。グレネードと消音銃はエスケープのための物で、偵察ミッションのものではないともいえるかな?」
「なるほどね、なんとなく、わかったわ。いろいろ考えてはいるのね。」
「そうだといいんですけどね。教官にも“考えるのは悪いことだといっているわけではない”とか何とか言われましたし・・・」いくら“階級は関係なくなる”訓練期間と入っても士官のリリアにはさすがに“ため口”はきけない。
「そうそう、教官といえばさっきオフィシャルに連絡があったぜ。」とミアル。「今後マールの正式コードネームは“ナップ”だそうだ。」
「ははぁ、いつでもどこでも寝れるお前にぴったりだな。・・・しかし、異例ではある。」笑いながらバルロス。
「そうね、正式なコードネームは普通最終試験の後、正式なミッションに組み込まれるときに、選ばれた人にだけ与えられるものよね。」その辺のところ、士官のリリアはよく知っていそうだ。
「そ、そんなシリアスなものじゃないでしょう、これは。教官一流のジョークみたいなもんですよ。」なにをいっているんだ、みんなは?
「チラッとうわさで聞いたんだけど」自分のライフルを点検しながらエムが言う。「お前がどうなっても苦情を言う奴がいないというのは”最高の捨て石”の必須条件だ、と言われてキャンプ入りしたんでしょ?」
「あ、ああ、そうだけど?」
「ということは、マール、じゃなかっ
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