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とある銀河の物語
002 ナップと教授とマティルダ
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今までの例から言って、この最終試験の訓練生はその後も同じチームを組むことが多い。だいたい同じ方面のミッションに派遣されるせいもあるが、チームとは有機的なつながり、そう、連帯感とでも言うのか、そんなものが強いほうがいいに決まってる。この最終試験は基本的に単独ミッションだが、多くの訓練生の中から選ばれ、同じ船に乗り、多少の時間差はあれそれぞれが与えられたミッションをこなし、同じ船に帰ってくる。この経験は、何ものにも代え難いものになるのではないか。天涯孤独の俺は、そんな連帯感に飢えていたのかもしれない。皮肉な話だが、俺の場合身寄りが無いがゆえに若くして訓練キャンプに入れたという経緯もある。そして今、俺はここにいる。思いっきり笑われながらではあるが。

バルロス。
六人の中では最年長。といっても“おっさん”の一歩手前というところか。現役の兵隊さんで階級は曹長だが、この訓練キャンプにいる期間、階級は関係なくなる。階級章も無い訓練服をみなと同じように着込んでいる。ときどき奥さんにしては若すぎるが子供にしては大きすぎる女性が差し入れを持ってきていた。いつも二言三言話すだけで帰っていたが、どういう関係なんだろう? 親密そうといえばそうだし、よそよそしいといえばそうも見える。以前若い訓練生がその娘に声をかけて逃げられたことがある。バルロスは、格闘訓練の時わざとその若いのと当たるように仕向け、何回も寝技に持ち込んだり、打撃よりも腕の取り合いをして結構長い時間やり合っていた。その間頻繁にバルロスのくちびるが動いていたようなんだが、俺には何も聞こえず、動きに乱れも無かった。一方、若い方は次第に呼吸が荒くなり、汗の量も多くなって、結果はドローだったがその場に崩れ折れてしまった。そのとき俺は心に決めた。バルロスには絶対、彼女のことは聞かないでおこう、と。

リリア。
全訓練生の中でも珍しい、士官で、しかも女である。もっともこの訓練キャンプにいる期間・・・以下同上。
若すぎはしないがおばさんでもない。バルロスより少し若いくらいだろう。パイロットの腕を買われて勧誘されたらしい。
俺にとっては難しく厳しい訓練ばかりだったが、リリアはその全てを淡々とこなしていた。さすがは士官というべきか。
彼女にとってこの程度の訓練はすでに卒業してきた内容で、今回はただのおさらいに過ぎなかったのかもしれない。
それほど逞しそうには見えない体で、大の男たちを簡単にノックアウトしてしまうのを何度か見た。

ラン。
俺と同じ民間からの志願だが、ランは俺なんかとは“毛色”が違う。普通はまず入隊し、訓練を受け、経験をつんでからこの訓練キャンプに入る。志願して受理されることもあれば、推薦されてくることもある。リリアのように。ところがランはこのプロセスがまだるっこしかったらしく、直接訓練キャンプに
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