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魔法少女リリカルなのはStrikerS〜赤き弓兵と青の槍兵
本編
三十二話〜決着――ゆりかご
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イタチごっこだ。


「だったら、さっきから流れている涙はなんなんだ?」
「!!!」


嫌なんだよね……。戦いたくないんだよね……。


「ヴィヴィオ。ヴィヴィオはどうしたいの?ホントの気持ち、ママたちに教えて」
「わ、たし、は……」


ヴィヴィオは今の今まで抑えていたであろう感情が爆発したように思いを叫ぶ。


「一緒にいたい……ママと、パパと、三人で……!!助けて……私を、助けて!!!」
「当然だ」
「助けるよ。私たち二人で!」


その言葉を待っていた私たちはそれぞれ準備に入った。
士郎君はその手に歪な短刀……ルールブレイカーを。私はバインド“レストリクトロック”の準備をした。


[Restrict Lock.]


光の輪がヴィヴィオを捕える。


「ヴィヴィオ。少しだけ、我慢しててくれ。破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)………!」


短刀がその力を発揮する。ヴィヴィオが光に包まれた。
そして光がおさまると…………


「成功、だ」


子供の姿に戻ったヴィヴィオと士郎君がそこに立っていた。


「レリックは………?」
「ここにある。が、破壊してしまうのがいいだろう」


そういって、士郎君は一振りの剣を手に取った。
黄金の柄を持ち、刀身は透き通るかのような美しさの剣。
まさに名剣……と言うべき様なものだ。


絶世の名剣(デュランダル)


士郎君はその名を静かに言い放ち、レリックを一閃。
レリックは音も立てずに二つに分かれ、消滅した。


「さて、そろそろ戻るっ………!?」


レリックも破壊し、犯人も確保。ヴィヴィオも無事に救出したというのに、この事件はまだ終わりではなかった。




side ヴィータ


「はああああああああああああああ!!!」


あの後無事に駆動炉にたどり着いたが、攻撃を加えた途端に防衛システムが作動。現在はその処理をしている。


「これで、最後だ!!」


防衛システムの最後の一機を落とした直後の事だった。


『聖王陛下、反応ロスト。直ちに全機構の停止、並びに全魔力リンクのキャンセルを行います』


いきなりそんな放送がしたと思うと、


「え?」


飛行魔法がキャンセルされた。それだけじゃあない。駆動炉も勝手に停止している。


『ただいまより、破損個所の修復にかかります』


何が起きているのか全く分からねえ。が、とりあえずは……


「なのはと士郎がやったみてえだな。ひとまずは脱出だ!」


あたしは出口に向かって走った。




side 士郎


鼓動を感じる
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