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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-終幕-
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てないっすよ!アタランテ!」
目で追う所か音の方が遅いとすら思えてしまうほどの速度をしかも頭のおかしい反応速度を発揮しながらもそれを当たり前のようにやってのけたのにはある程度の絆は感じる、が同時にとてつもない怒りを感じる。
「失礼。私は汝が宝具を発動してるかなんて分からないサーヴァントでな。許せ」
「めちゃくちゃ根に持ってるじゃねぇか!?子供か!?」
先程からつけていた「っす」がなくなっていることからして焦りを感じているのがわかる。というよりこれが彼の素なのだろう。
「ほう...なるほど。面白いことを言うな」
その発言で堪忍袋の緒が切れたのか獣のような速度で走ってきたアタランテが祐介の頭部の左右を拳で挟んでグリグリ動かし始めた。
俗にグリグリ攻撃と呼ばれるものだ。頭の横を押さえられているだけあってかなり痛そうである。
「いだっ!いだだだだだ」
「全く汝は...いい加減に、しろ!」
「あ、あの、アタランテ様。その辺で...」
英霊の強い締め付けに流石にやばいと思ったのか紫式部が遠慮がちとはいえ止めに入る。
「...そう、だな。すまなかった」
それに冷静になったのかアタランテが拳を離すと祐介の頭が地面に落ちる。側頭部を押えて痛そうにしてはいるが、抵抗しなかったことから見ると彼も反省はしている...のだろうか。
「ったぁ──!」
「汝は反省しろ、もう二度と独断行動はするな。死んでも治る、その驕りが敗北に繋がることなどよくある事だ」
アタランテは祐介の様子を見ながらため息をついて数歩下がって地面に腰をつける。その様子は子供に説教をしている親のようでもあり、部下の失態を叱っている上司のようにも見えた。
「...死んでも治るのは俺だけっすよ?」
「サーヴァントは再び召喚できるからな。本部の方にもまだ誰とも組んでないサーヴァントが何騎もいるだろう」
「ま、そーっすけど」
祐介の口調が戻ったことを加えても少し違和感の感じる会話をすると祐介が崩れた建物の方向を見て座り、アタランテの背中を向けた状態となる。
「ねぇ、祐介」
「なんすか?」
「あそこの建物は、どうなったの?」
崩れた建物を指さして祐介に訊ねる。
気になることは多い。あれだけいたサーヴァント、倒したと思った川本さんを名乗った誰か。彼の使った謎の魔術のようなもの。
祐介はそれを考えていることを見抜いたのか先程までの表情からうってかわり真剣な表情で崩れた建物を眺めた。
「中にいた子供たちを埋葬して術式も解体させておいたっす。流石にあれを世に広める訳には行かないっすから」
そう、遠い目をして言った。彼が何を考えているのか、どこまで見抜いているのかは分からない。しかし確実にわ
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