暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-拾陸-
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
造する。けど、本当にいいのかい?初めに言っておくと君」
「死ぬぞ」
その時に、世界が止まったような感覚を感じた。冷や汗すら流れない。まるでその言葉だけで人が死ぬと思ってしまうほどソレは異質だった。
空間が停止する。世界の主は誰かと証明するように小川の流れがピタリと停止する。
「その、つもりだ」
「なるほど。であれば猫をかぶる必要は無いわけだ。安心したよ」
そう言って彼は試験管をこちらに差し出した。
試験管内部の血がこちらを《《観ている》》。答えは決まっているのに、すり替えられるように心の奥が狂わされていく。
「それを飲んだら言ってくれ。手術を始める。しかしこれが最後のチャンスだ。もし、人として生きたいのなら、それを地面に叩きつけてこの場から立ち去れ」
それから後のことは覚えていない。飲んだかもしれないし、飲んでないかもしれない。
ただ最後に彼は『万象』と言ったことだけは覚えている。
その後自分はその辺に居た川本敦という名前の傭兵を殺して、彼の悪魔と繋がっている右腕を自らのマジュツカイロに接続...
マジュツカイロ。
知らない言葉だ。しかし知っている。魔術師が持つ魔術回路に接続させ、悪魔を使役することに成功。
悪魔の名前はイスカンダルというらしい。征服王という二つ名を持つらしいがそんなことはどうでもいい。
本来のマスターではないと気づいた彼のレイキを改造...して、ホウグとスキルを除く能力を子供時代に一時的に戻すことで誤認させることに成功。
マスター、レイキ、ホウグ、スキル。
分からない。分からないのに、頭が理解してしまう。こんなものは自分ではない。まるで、誰かが自分に入ってきたようだ。しかしそんなことは無い。むしろ自分が川本敦に侵入したわけであり、本来の彼はそんなことはしないのだから。これば自分が川本敦になりきってるだけ。知識は天王寺に貰ったものだ。
そして、彼女のことを隅から隅まで調べあげた。
名前は勿論、二重人格であること、一緒にいる悪魔はかの有名な紫式部であること。彼女の出来ること、好き嫌いまで全て。
その為に時間は要した。
これは全て恩返しの為に。
多くの敵が来る可能性を考え、あえてエインヘリアルの一人を誘導した。
真木祐介という男。彼は、エインヘリアルの中でも弱いらしい。しかしほかの傭兵とはかけ離れた力を持つと聞いた。
利用しよう。全てを。
自分の命が保つ。その最後まで。
無実の子供を集落から誘拐して、知ってる結界を作り出す。エジプトのファラオの儀式に使われたものを改造したと、彼は言っていた。
結界内の時間軸を他の時間軸からズラすことが出来る結界。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ