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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-拾肆-
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は文句無しの最強になった。

◇◇◇

 倒したサーヴァントの数は百を超えてからもう、数えるのも億劫になってやめてしまった。
 翔太郎も一度大量のサーヴァントを召喚する宝具をもうサーヴァントと戦った結果サーヴァント相手に数万の組手をする結果となったと言っていたが、言葉以上にそれは厳しい。
 実際の所、この軍勢の宝具も不完全故か大半の兵士は葛城財団で運用されているゾンビ兵やシャドウサーヴァント並の戦闘能力なので何とか生き延びられているがそれでもこれだけの数だ。肉壁になるだけで超えるのは厳しくなる。

「どけぇ!」

 それを強引に膂力で押し切って殺し尽くす。 
 その視線の先にはボロボロの《《何か》》が戦闘不能の三人の前に立っているという危機的状況だった。
 その中で一人、現在格闘戦ができる葵が立ち上がってその『何か』と話している。

「ちっ、葵!」

 すぐさま救援に向かうべきだ。葵はもう立っているだけで厳しい筈だ。その上『何か』の気配はボロボロとはいえシャドウサーヴァントのソレに匹敵する。言うならサーヴァントのなり損ないと言えるものだ。勝つのは厳しい。それどころか一瞬で殺されるという可能性もある。

 しかしそんな自分の考えとは裏腹に何百人もの兵士が剣を振り回しながら必死に邪魔をしてくる。爪で盾を切り裂いてもサーヴァント故の生き汚さを見せつけられて葵達の方は見ることしか出来ない。
 アタランテに指示を出そうにもアタランテは両腕を失ってほとんど動けない。

─自分が何とかするしかない。

 砂場を強く踏みしめて大地を翔ける。

 そこに稲妻を纏った一頭の馬が弾かれたような速度で跳んでくる。

「そんな程度でいいであろう!ギリシャの怪物よ!」

 そんな大声を立てながら目の前に立つのは。
 1人の屈強な大男。乗っている馬も並の馬と比べれば一回りか二回りほど大きいのに、それが小さく見えるほどの大きさを持つ筋骨隆々の大柄な男。

「征服王」

「如何にも!余こそが征服王イスカンダルである!」

 呟いた言葉を増幅させるようにそう高らかに自己紹介したのは最高神ゼウスの息子とも言われるマケドニアのアレクサンドロス大王。不完全であろうとこれほど出力の高い宝具を使えているだけあって当然ではあるがシャドウサーヴァントでは無い、本物のサーヴァントだ。

「言っておくがアンタの部下になる気は無いぞ。言い訳も聞く気は無い。俺からはただ一言だ」

 長話は葵の負担を大きくする。
 だからこの男を騙し討ちをしてでも即死させる。この男が出てきたのは敵方の戦意が増すという意味でめんどくさいが逆に言えば将棋で玉を相手に差し出すようなもの。この宝具を即座に終わらせる最善の策がそこにはある。

「ほう、そうか
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