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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-拾参-
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.カリュドーンの、猪。怪物と言われた...私の主の正体だ」
小さな声が聞こえて振り向くとそこには倒れたまま、動かなかったはずのアタランテがうつ伏せから仰向けになっていた。
「アタランテ」
「私は、大丈夫だ。マスターとの魔力パスも繋がった。
メレアグロス
(
あの男
)
の宝具が、上手く作用したらしい」
見た目はまだボロボロだが、祐介との魔力パスが繋がったという言葉には間違いはないらしく、その声はいつものアタランテと変わらなかった。
「宝具?」
しかしその言葉の意味はよくわからず首を傾げる。その言葉に答えたのはアタランテではなくまだ余裕が少しだけありそうな紫式部だった。
「メレアグロス様には生まれて7日目に三柱のモイライという女神が現れてこう告げたのです」
「高貴な人物になるであろう。武勇に優れた英雄になるであろう。そして残りの一柱の女神は炉に薪を投げ入れてこの薪が燃え尽きるまでメレアグロスは生きると」
神が告げた予言。それはある種の因果律にも干渉する。つまり、逆説的にメレアグロスという英雄は薪がある限り死なないのだ。それならあれだけ切り刻まれながらも生存する理由にはなる。
「けどそれはメレアグロスってサーヴァントの逸話で、宝具となったとしても祐介が持ってるのは」
しかし、それにも問題がある。それはどう考えてもメレアグロスという英雄の逸話であり、それが宝具に昇華されることはよくある事だ。しかし、それはあくまで英雄メレアグロスであり、祐介ではない。
祐介がカリュドーンの猪の力を持っているというのは聞いた。しかし、それではメレアグロスの入る場所は無いのではないか。
しかしそこまで言うと紫式部がハッとした表情に変わる。
「クラスカード。正式名称はサーヴァントカードだったか。それを使い、マスターは彼の宝具を発動させたのだ。...用意周到な男だ。私にも告げずに、作動させるとは」
ハッとした紫式部の表情に頷きながらもつまらなさそうにアタランテは言って切られた腕を見つめる。
あの斬られた瞬間に祐介が生きていたということはアタランテとの魔力パスは切れるわけが無いのだ。しかしそれが無くなった。つまり、祐介が斬られた瞬間に自分から切断したということになってしまう。
アタランテもその宝具を持っていることを知らなかったということを踏まえればアタランテにわざと告げずに使い、アタランテの動揺から真木祐介は死んだと誤認させるのが狙いだったということになってしまう。
そうなのだろう。短い付き合いだが、彼ならそうすると思ってしまう。軽そうな見た目ながらも芯はある。あくどい手を使ってでも非戦闘員を逃がそうとするかんがえは、彼らしいとすら思ってしまう。
「しかし、その場合薪が無くては始まりませ
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